「リフティング、何回やっても続かない…」「教えてあげたいけど、自分も未経験でコツが分からない」。少年サッカーの家練習で、いちばん相談が多いのがリフティングです。この記事を読み終えるころには、回数を追いかけるのをやめて、子どもが自分でコツをつかむ「順番」が分かるようになります。未経験のパパ・ママでも、今日から隣で教えられます。
先に結論です。リフティングが伸びない原因のほとんどは「才能」ではなく①いきなり連続で蹴ろうとする ②当てる場所が定まっていない ③回数だけを目標にしているの3つ。だから、ワンバウンドから始めて、足の甲の"当てる一点"を覚え、回数ではなく「フォーム」をほめる。この順番に変えるだけで、多くの子がスッと伸び始めます。
この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修。現場では「リフティング100回できる子」より、「少ない回数でも、ボールを思った場所に当てられる子」のほうが試合で伸びていきます。回数は結果。まずは正しい順番から始めましょう。
01結論:回数より「当てる場所」から
多くの家庭が、リフティングを「何回続くか」で教え始めます。でも、それが伸び悩みの入口です。回数を追うと、子どもはボールを追いかけて前のめりになり、フォームが崩れます。 大事なのは連続回数ではなく、まず「足の甲の同じ一点に、まっすぐ当てる」感覚を覚えること。
① 手で持つ → 落とす → 1回だけ蹴ってキャッチ
② ワンバウンドを挟んで、1回ずつ
③ 慣れたらバウンドを減らし、連続へ
「1回をていねいに」を積み重ねる。回数は後からついてきます。
02なぜ続かない?よくある3つの原因
伸びない子には、だいたい共通した"つまずき"があります。才能ではなく、やり方の問題なので、知れば直せます。
① いきなり連続で蹴ろうとする → まだ1回が安定していないのに10回を目指すと、フォームが固まる前に崩れる。
② 当てる場所がバラバラ → つま先・すね・甲がその都度違うと、ボールが毎回あらぬ方向へ飛ぶ。
③ 回数だけを目標にしている → 「昨日は5回、今日は3回」で一喜一憂し、うまくいかないと嫌になる。
この3つを裏返すと、そのまま正しい教え方になります。1回ずつ・同じ場所で・フォームをほめる。次のステップで、順番に見ていきましょう。
03ステップ1:手で持って落として1回蹴る
いちばん最初は、連続で蹴りません。ボールを手で持ち、足の少し上あたりに落として、甲で1回だけ真上に蹴り、また手でキャッチする。これだけです。
このステップの目的は「足の甲のどこに当たると、ボールがまっすぐ上がるか」を体で覚えること。連続しないぶん、一回一回に集中できます。まっすぐ上がったら大成功。方向がそれても、「今のは外側に当たったね」と一緒に確認すれば、それが学びになります。
10回中7回くらい、ボールが自分の胸の前に「まっすぐ」上がってくればOK。回数ではなく"まっすぐ"を見てあげてください。
04ステップ2:ワンバウンド・リフティング
1回が安定してきたら、間に地面のバウンドを挟みます。足で1回上げる → 地面でワンバウンド → また1回上げるのくり返し。バウンドが「間」を作ってくれるので、あわてずに次の一蹴りを準備できます。
これは、いきなりノーバウンドで連続するより圧倒的にやさしく、成功体験を積みやすいステップです。「ポン(蹴る)、トン(バウンド)、ポン、トン」とリズムを口に出してあげると、子どもはタイミングをつかみやすくなります。まずは連続5回のワンバウンドを目標に。
05ステップ3:ノーバウンドへつなげる
ワンバウンドが安定したら、少しずつバウンドを減らします。「今のは2回続けてバウンドなしでいけたね」と、ノーバウンドが混ざり始めたところをすかさずほめるのがコツ。全部ノーバウンドにしようと急がず、ワンバウンドとノーバウンドが混ざる段階をしばらく楽しみます。
ここまで来れば、あとは自然に連続回数が伸びていきます。大事なのは、各ステップを飛ばさないこと。1回が不安定なまま連続を目指すと、遠回りになります。急がば回れです。
06足のどこで当てる?膝と姿勢の使い方
技術的なポイントを、未経験の親でも伝えられる言葉にまとめます。
- 当てる場所は「足の甲・靴ひものあたり」:つま先だと安定しません。足首を軽く伸ばして、甲の平らな面で当てます。
- 足首は固定して、動かすのは膝から下:足先でこねると方向が乱れます。ひざ下を軽く上下させるイメージ。
- ボールは高く上げすぎない:胸より下、おへそ〜太ももの高さで小さく。高く上げると次が難しくなります。
- 目線はボールの少し下、背すじは立てる:前かがみになると前に飛びます。まっすぐ立つのが安定のカギ。
最初は利き足でOKですが、慣れてきたら反対の足も少しずつ。両足で扱える子は、それだけでプレーの幅が大きく広がります。左右5回ずつ、のように"数の枠"を分けると自然に両足を使います。
07声かけのコツ(回数を目標にしない)
教えるとき、いちばんやってはいけないのが「今日は何回?」と回数を毎回聞くこと。数字が目標になると、うまくいかない日にモチベーションが折れます。かける言葉は、回数ではなくフォームと挑戦に向けましょう。
「回数を数えるのをやめて『今のきれいに上がったね』に変えたら、本人が楽しそうにやるようになった」
「親子で交代でやって、パパが全然できないのを見て子どもが大笑い。それから毎日やってる」
おすすめは、「まっすぐ上がったね」「さっきより落ち着いてたね」のように"過程"を認める声かけ。そして、親自身も一緒に挑戦してみてください。大人がやると意外と難しく、子どもと同じ目線で笑える時間そのものが、続ける原動力になります。
08編集部のおすすめ+よくある質問
リフティング練習は、まず"自分専用の4号ボール"があるかどうかで続き方が変わります。試合と同じ4号を1つ用意しておくと、覚えた感覚がそのまま試合で活きます。
ボールの基本のさわり方から始めたい方は、リフティング以外のメニューもまとめています → 親子でできるおうちサッカー練習・ボールタッチ5選
よくある質問
リフティングは何歳から教えればいいですか?
ボールを蹴って遊べる年齢なら何歳からでもOKです。低学年のうちは「連続何回」を目指さず、手で持って落として1回蹴ってキャッチ、から始めましょう。遊びの延長で、まっすぐ上げる感覚を楽しむのが最初の一歩です。
何回できれば上手いと言えますか?
回数は上達の目安のひとつですが、この年代では回数そのものより『まっすぐ・落ち着いて蹴れているか』のほうが大切です。少ない回数でも足の甲の同じ場所に当てられる子は、試合でボールを扱う技術に確実につながっていきます。
ワンバウンドは「ずるい」のでは?練習になりますか?
むしろ正しいステップです。ワンバウンドは「間」を作ってくれるので、あわてず次の一蹴りを準備でき、成功体験を積みやすくなります。いきなりノーバウンド連続を目指すより、ワンバウンドを挟むほうが結果的に早く上達します。
足のどこに当てるのが正解ですか?
足の甲、靴ひものあたりの平らな面です。つま先だと安定しません。足首は軽く伸ばして固定し、動かすのはひざ下だけ。ボールは胸より下の高さで小さく上げると、次の一蹴りがつながりやすくなります。
親も未経験ですが、教えて大丈夫ですか?
大丈夫です。むしろ一緒に挑戦するのがおすすめ。細かい技術より『まっすぐ上がったね』と過程をほめること、回数を毎回聞かないことの2つを意識すれば十分です。親子で交代しながらやると、楽しく続けられます。
リフティングが続くようになったら、次は止める・運ぶ技術へ。スパイク選びで足元から整えたい方はこちら → ジュニアサッカースパイクの選び方【現役コーチ監修】
「サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる」
少年サッカーの育成年代を指導する現役コーチ。判断力・認知・立ち位置・パススピード・切り替え、GKからのビルドアップを軸に、「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。毎月、練習設計と自己内省をレポートにまとめてPDCAを回す、分析型の指導者です。
現場でサッカー未経験の保護者の声を大切にしてきました。専門用語をゼロに噛み砕き、「親が今日からできること」に翻訳してお届けします。


