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ルール入門

サッカーのファウルとは?「危険」と「ずるい」で分かる反則の基本

PITCH NAVI 編集部|2026.07.15 更新|読了 約9

監修現役 U10・8人制サッカーコーチ指導3年目・延べ50名を指導

「今の、何で笛が鳴ったの?」「うちの子のプレー、反則なの?」——試合を見ていて、審判の笛の理由が分からず、モヤモヤすることは多いはずです。サッカーのファウル(反則)は、種類を全部覚えなくても、「危険」と「ずるい」の2つの視点を知るだけでほとんど理解できます。この記事では、サッカー未経験のパパ・ママ向けに、ファウル・反則の基本を、少年サッカーの実情もふまえてやさしく解説します。

\ 時間がない人へ・先に結論 /

ファウルは大きく2種類。①相手への反則(押す・倒す・蹴る・手で引っぱるなど=危険&ずるい)②ハンド(手や腕にわざと当てる)。反則があると、相手にフリーキック(またはPK)が与えられます。細かい名前を覚えるより、「危ないこと・ずるいことをすると笛が鳴る」とざっくり掴めばOKです。→ 試合に必要な用品をチェック

この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。親御さんに知ってほしいのは、ファウルの多くは「わざとじゃない接触」だということ。ボールを一生懸命取りにいった結果ぶつかった、というのがほとんどです。だから、わが子が笛を吹かれても、それは「悪い子」という意味ではありません。ルールを知ると、そこが冷静に見えてきます。

01ファウルは「危険」と「ずるい」で分かる

サッカーの反則は種類が多く見えますが、根っこはシンプル。「相手を危険にするプレー」か「ずるいプレー」だと、笛が鳴ります。押す・倒す・蹴るは危険。手で引っぱる・わざと手で止めるはずるい。この2つの物差しで見れば、細かい名前を知らなくても「なぜ笛が鳴ったか」が分かります。

もう少しだけ足すなら、審判が見ているのは「その接触に、ボールを取る意図があったか」です。ボールに向かって出した足が相手に当たったのか、相手を止めるために出した足なのか。同じ倒れ方でも、この一点で扱いが変わります。観戦するとき、倒れた選手ではなくボールがどこにあったかを見るクセをつけると、判定の意味がぐっと読めるようになります。

02相手への反則(よくある例)

相手に対する反則で、少年サッカーでよく見るのはこのあたりです。

⚠ よくある反則

押す・突き飛ばす(体を手で押す)
倒す・足をかける(タックルで足を引っかける)
ユニフォームを引っぱる(つかんで止める)
危険なキック(足を高く上げて相手に近づける)

大事なのは、「ボールを取りにいったか」「相手を狙ったか」。ボールにいった結果の軽い接触は流されることも多く、相手を狙った危険なプレーは重く取られます。

03低学年でよく笛が鳴る反則トップ3

現場で1年間、低学年の試合を見ていて実際にいちばん多い反則を3つ挙げます。順位はそのまま、家で教えると効果が大きい順でもあります。

    • 第1位:手で押す(プッシング)。ボールを追いかけて並走しているとき、相手の背中や肩を手で押して前に出る。低学年の反則の体感で半分以上がこれです。
    • 第2位:足をかけて倒す(トリッピング)。ボールを取ろうと足を出したけど、ボールに届かず相手の足に当たる。悪気はゼロ、単に間合いが測れていないだけ。
    • 第3位:ユニフォームを引っぱる(ホールディング)。抜かれそうになった瞬間、とっさに手が出てシャツをつかむ。中学年から急に増えます。

3つとも共通点があります。全部「手」か「足を先に出す」ことで起きている。逆に言えば、体を先に入れるという体の使い方さえ覚えれば、この3つは自然に減ります。監修コーチのチームでは、低学年に「手はポケットに入ってると思って」と伝えて1対1の練習をしたところ、その月の練習試合でプッシングの笛が目に見えて減りました。技術ではなく、体の順番の問題なんです。

家で1分でできること

壁に向かって立って、手を後ろで組んだまま、肩で押し合うだけ。親子でやると盛り上がります。手を使わずに相手を止める感覚が身につくと、笛の数が変わります。1対1の体の使い方は 1対1の守り方 にまとめています。

04「当たっただけ」と「反則」の線引き

ここが、親がいちばん誤解しやすいところです。サッカーは、体が当たること自体は反則ではありません。むしろ、肩と肩でぶつかり合ってボールを競るのは、正しいプレーとしてルールに認められています。

親が「今の当たっただけじゃない?」とモヤっとする場面と、審判が笛を吹く場面のズレは、だいたいこの4点で説明がつきます。

    • どこが当たったか:肩と肩ならOK。手・肘・背中を押すのはNG。
    • ボールが近くにあったか:ボールが競れる距離にあるかどうか。ボールから離れた場所での接触は、それだけで反則になりやすい。
    • 力の強さ:同じ肩でも、体重を全部乗せて吹き飛ばせば「無謀」と判断される。
    • 足がどこを向いていたか:スパイクの裏を見せる、足を高く上げる。これは当たっていなくても危険なプレーになります。
⚠ 「倒れたら反則」ではありません

親がいちばんやりがちな誤解がこれ。倒れたかどうかと、反則かどうかは別の話です。低学年は体が軽いので、正当な肩の接触でも簡単に転びます。逆に、明らかに引っぱられているのに踏ん張って倒れない子もいる。審判は「倒れたか」ではなく「どんな接触だったか」を見ています。わが子が転んだのに笛が鳴らない=見逃された、ではないと知っておくと、観戦がずいぶん楽になります。

05わざとかどうかは関係ない反則がある

もうひとつ、知っておくと判定が読めるようになる話です。反則には「わざとかどうかを問わないもの」があります

押す・蹴る・倒すといった反則は、「不用意だったか」「無謀だったか」で判断されます。つまりわざとでなくても反則になる。「わざとじゃないから反則じゃない」は、サッカーでは通りません。ここは大人でも勘違いしている人が多いところです。

一方、「わざと」が条件になる反則もあります。代表がハンドです。腕にボールが当たっても、体につけた自然な位置なら流されることが多い。ここは「意図」が判断材料になります。

    • わざとでなくても反則になるもの:押す、倒す、足をかける、危険なキック、相手にぶつかる
    • わざとかどうかが見られるもの:ハンド、時間を使う行為、相手を妨害する行為の一部

もうひとつ、少年サッカーの親が驚くのが「危険なプレー」は当たっていなくても反則になるという点。相手の顔の高さで足を振る、寝ころんだ状態でボールを抱える——接触ゼロでも、危ないと判断されれば笛が鳴ります。子どもが「当たってないのに!」と抗議するのは、たいていこの場面です。

06ハンドの基本

ハンドは、手や腕にボールが当たる反則です。ポイントは「わざとかどうか」「腕が不自然に広がっていたか」。体にピタッとつけた腕に偶然当たった場合は、ハンドを取られないことも多いです。逆に、腕を広げてボールを止めたり、手で明らかにコースを変えたりすると反則になります。※ハンドの判定は状況によって難しく、審判の判断によるところも大きいです。詳しくは専用記事もあります。

少年サッカーで多いのは、こわくて顔をかばった手に当たるケース。至近距離のシュートを反射的に手で防いでしまう子は、低学年に必ずいます。これは審判も理解していて、危険回避の動きとして流されることもあれば、結果としてハンドを取られることもあります。取られても、その子を責める場面ではありません。ボールをこわがる気持ちへの向き合い方は ボールがこわい子へ にまとめています。

07反則のあとどうなる?(FK・PK)

反則があると、相手チームにフリーキック(FK)が与えられます。反則した場所から、相手が止まった状態でボールを蹴って再開します。そして、自分のペナルティエリア内で守備側が反則をすると、より重い「PK(ペナルティキック)」になります。ゴール前の反則は失点に直結するので、エリア内では特に慎重に守ることが大切です。

もう少し細かく言うと、フリーキックには2種類あります。直接ゴールを狙えるもの(直接FK)と、誰かに一度触れないとゴールにならないもの(間接FK)です。相手への反則やハンドは直接FK、キーパーがボールを持ちすぎたといった技術的な違反は間接FK。審判が片手を真上に上げたままにしていたら、それが間接FKの合図です。審判のジェスチャーの意味は 審判のジェスチャー早わかり に、フリーキックの詳しい決まりは フリーキックのルール にまとめています。

08笛が鳴らないとき|アドバンテージ

「あれ、今ファウルされたのに笛が鳴らなかった」。この場面で親がいちばんザワつきます。でも、多くの場合これは見逃しではなくアドバンテージという正しい判定です。

アドバンテージは、反則があっても、そのまま続けたほうが反則された側に得だと審判が判断したとき、笛を吹かずに流すこと。たとえば、押されながらもボールをキープしてゴール前に抜け出しているなら、そこで止めてフリーキックにするより、そのまま攻めさせたほうがチャンスが大きい。だから流します。

見分け方は簡単で、審判が両腕を前に伸ばして「流す」ジェスチャーをしていたらアドバンテージです。何も言わずに黙って走っていたら、それは本当に反則ではないと判断したということ。笛が鳴らない=審判が見ていない、ではないと知っているだけで、観戦のイライラは半分になります。

アドバンテージの後に笛が鳴ることもある

流したものの、数秒でボールを失って結局チャンスにならなかった——このとき審判が笛を戻して、最初の反則の位置からフリーキックにすることがあります。「今さら?」と見えますが、これも正しい運用です。詳しくは アドバンテージ(流す判定)とは で解説しています。

09子どもが反則を取られて泣いたとき

低学年の試合で、けっこうな頻度で起きるのがこれです。笛を吹かれた瞬間に泣き出す。悔しさではなく、「怒られた」と感じていることがほとんどです。低学年にとって笛は、先生の「こら」と同じ音に聞こえています。

監修コーチの現場でも、2年生の子が自分のファウルで泣きだして、その後の10分間ボールに寄らなくなった、ということがありました。理由を後で聞いたら「またピーッてなるのがこわかった」。反則を取られたことより、次にまた取られる恐怖のほうが子どもを止めるんです。

⚠ NG:泣いている最中に説明を始める

「今のはね、手を使ったから反則で……」——泣いている子の頭には1文字も入りません。しかもタッチライン越しに親が説明を始めると、子どもはピッチの外を見るようになります。試合中に親を見る子は、判断が遅れます。泣いている最中にやることは、説明でも慰めでもなく、何もしないことです。

家に帰ってからの流れは、この3つで足ります。①「泣くほど本気だったんだな」と気持ちを先に認める ②「あのとき何しようとしてた?」と本人の意図を聞く ③「じゃあ次は手じゃなくて体を入れてみよう」と行動をひとつだけ決める。反則の名前を教える必要はありません。次の行動が1つ決まれば、その子は次の試合で試します。ミスとの向き合い方は ミスを引きずらない考え方、泣いてしまう子への関わりは 試合で泣いてしまう子へ が参考になります。

10審判へ声を上げてしまう親の問題

正直に書きます。少年サッカーで最もチームの空気を壊すのは、選手のプレーではなく保護者の一言です。「今のファウルでしょ!」「ちゃんと見てよ!」。悪気なく、わが子を守るつもりで出た言葉が、その日の試合を変えてしまうことがあります。

理由は3つあります。

    • ①子どもが真似する。親が判定に文句を言う姿を見た子は、ピッチの中で審判に同じ態度をとります。審判への抗議は警告(イエローカード)の対象です。
    • ②審判の多くは、同じ立場の保護者やコーチ。専門の審判員ではなく、資格を取って持ち回りでやっていることがほとんど。次はあなたが笛を持つかもしれません。
    • ③試合が止まって、損をするのは子ども。もめている数分間、子どもたちはただ立って待っています。

もうひとつ、見落とされがちなのがわが子自身が恥ずかしがっているという点。高学年になるほど、親の声は子どもに刺さります。監修コーチの現場でも、「お父さんが叫ぶから試合に来てほしくない」と言った高学年の子がいました。応援のつもりが、逆に子どもの居心地を悪くしていることがあるんです。

判定に納得できないときの正しい順番

① その場では何も言わない(拍手だけしておく)
② 試合後、チームの指導者に穏やかに聞く(審判へ直接ではなく)
③ 大会運営の話なら、指導者から運営に上げてもらう

誤審かなと感じたときの受け止め方は 誤審かなと思ったとき、応援全般のマナーは 応援のマナー にまとめています。

11少年サッカーでの見方

低学年ほど、体の使い方が未熟で「わざとじゃない接触」が増えます。審判もそれを分かっているので、危険でなければ流して試合を続けることがよくあります。親の観戦のコツは、笛が鳴っても「わざとじゃないよね」と大きく捉えること。判定に一喜一憂して大声を出すより、子どもが安心してプレーできる雰囲気をつくるほうが、ずっと成長につながります。

学年で見方を変えると、さらに落ち着いて観られます。低学年は「反則の数」を気にしない——むしろ球際に行けている証拠です。中学年は「同じ反則をくり返していないか」だけ見る高学年は「危ない反則かどうか」を見る。スピードが上がると、同じプレーでも相手のケガにつながります。ここだけは家でも真剣に話す価値があります。

💬 現場で聞いた保護者の声

反則の名前を覚えようとして挫折していたけど、『危険とずるい』で見ると分かりやすい

3年生のお子さんの保護者

子どもがファウルを取られても、わざとじゃないと分かって落ち着いて見られるように

2年生のお子さんの保護者

PKになる場所を知って、ゴール前の守りをハラハラしながら応援できるようになった

5年生のお子さんの保護者
※ 監修コーチが少年サッカーの現場で実際に聞いた声です(個人が特定されない形で掲載しています)。感じ方には個人差があります。

よくある質問

Q

ファウルの種類を全部覚える必要がありますか?

A

必要ありません。反則は『相手を危険にするプレー(押す・倒す・蹴る)』か『ずるいプレー(引っぱる・わざと手で止める)』のどちらかだと覚えれば、ほとんどの笛の理由が分かります。細かい名前より、この2つの視点で見るのがおすすめです。

Q

うちの子が笛を吹かれました。悪いことをしたの?

A

多くの場合、わざとではない接触です。特に低学年は体の使い方が未熟で、ボールを取りにいった結果ぶつかることがよくあります。反則を取られても『悪い子』という意味ではありません。家で落ち着いてから、どうすれば防げたかを一緒に考えるくらいで十分です。

Q

ハンドは手に当たれば必ず反則ですか?

A

必ずではありません。ポイントは『わざとか』『腕が不自然に広がっていたか』です。体につけた腕に偶然当たった場合は流されることも多く、腕を広げて止めたり手でコースを変えたりすると反則になります。判定が難しい場面も多く、審判の判断によります。

Q

PK(ペナルティキック)はどんなときですか?

A

守備側が自分のペナルティエリア(ゴール前の大きな四角)の中で反則をすると、相手にPKが与えられます。ゴールのすぐ近くから1対1でキーパーと勝負するため、失点に直結します。エリア内の守備は特に慎重さが求められます。

Q

審判の判定に納得できないときは?

A

観戦中に大声で抗議するのは避けましょう。判定は審判の役割で、少年サッカーでは教育的な配慮も含まれています。親が冷静でいることが、子どもが安心してプレーできる雰囲気につながります。疑問があれば、試合後に指導者に穏やかに尋ねるのがよいでしょう。

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この記事の監修
監修現役 U10・8人制サッカーコーチ

サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる

育成年代の指導3年目、延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断・認知・立ち位置を軸に「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。

用品・ルール・練習の記事は、公開前に監修コーチが内容を確認し、事実に関わる記述は一次情報にあたって整理しています。監修者について →

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