スポーツ用品店のジュニアシューズ売り場で、スマホ片手に立ち尽くす——。「サッカーの練習用に、って言われたけど…これトレーニングシューズ?スパイクとどう違うの?サイズは?」。棚には「TF」「HG」「AG」と横文字ばかりで、店員さんを呼ぶのもなんだか気が引ける。サッカー未経験のパパ・ママにとって、トレシュー選びは最初の関門です。この記事を読み終えるころには、トレーニングシューズとは何か・スパイクとの違い・サイズ・幅広の子・予算まで、迷わず選べるようになります。
サッカーの練習用トレシュー(トレーニングシューズ)は、ゴム底で全面に小さなイボイボが付いた「サッカー用の運動靴」。土でも人工芝でも使えて足にやさしく、低学年〜練習メインの子にはこれで十分です。選ぶ順番は①今の足のサイズに合わせる → ②幅広なら幅対応モデル → ③予算は3,000〜5,000円。「今すぐ選びたい」人はこれで外しません。→ 学年・足型で選べる比較ランキングを見る(30秒)
この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。毎シーズン、練習を見ていて感じるのは、低学年〜中学年の練習で一番使うのは、実はスパイクよりトレシューだということ。土のグラウンドで滑って転ぶ子の多くは、慣れないスパイクを無理に履いていることが多い。一方、トレシューでのびのび走り回っている子は、転ぶ回数も少なく、ボールに集中できています。子どもの足は半年で0.5cmほど伸びることも珍しくないので、最初の一足はブランドや値段より「今の足に合っているか」が何より大事です。
01そもそもトレーニングシューズって何?(噛み砕いて)
「トレーニングシューズ、略してトレシューって言われても、そもそも何?」——未経験の親なら当然の疑問です。かんたんに言うと、トレシューは「サッカー用の運動靴」だと思ってください。
いちばんの特徴は、靴の裏がゴムでできていて、小さな凹凸(イボイボ)が全面にたくさん付いていること。スパイクのように大きな突起がにょきっと飛び出しているわけではないので、地面に引っかかりにくく、足への負担がやさしいのが魅力です。そのぶん、土のグラウンドでも人工芝でも幅広く使えるのもポイント。少年サッカーは練習場所がころころ変わることも多いので、「どこでも使える一足」はとても心強い存在です。
売り場やネットでは「TF」という表記をよく見かけます。これはトレシューとほぼ同じ「ゴム底に小さなイボイボが全面に付いたタイプ」のこと(TF=ターフ=人工芝の頭文字です)。人工芝やアスファルト、土の練習に向いていて、足あたりもやさしい。「TF」と書いてあったら、トレシュー仲間だと考えて大丈夫です。
トレシュー(=TF)はサッカー用の運動靴。裏はゴムで小さな凹凸が全面に。土でも人工芝でも使えて、足にやさしく転びにくい。練習メインの子の主力になる一足です。
△ここだけ注意:定番人気モデルなので、人気サイズは在庫が薄くなりがち。欲しいサイズを見つけたら早めに確保しておくと安心です。
02スパイクとの違い|どっちを買えばいい?
いちばん多い迷いがこれです。「トレシューとスパイク、結局どっちを買えばいいの?」。まずは両者の違いを、NG・OKの形でハッキリさせましょう。
「サッカーといえばスパイクでしょ」といきなり本格スパイクを選ぶと、低学年や練習メインの子には合わないことが多いです。スパイクは裏の突起(ポイント)が大きく、土のグラウンドでは効きすぎて滑ったり、逆に引っかかって転んだり。まだ体の使い方が育っていない時期には、扱いが難しいのです。
かんたんに整理すると、こうです。
- トレシュー(TF):裏がゴムで全面イボイボ。土でも人工芝でも使えて、足にやさしく転びにくい。→ 練習メイン・低〜中学年・迷ったらこっち
- スパイク(HG/AG/FG):裏に大きな突起。踏ん張りや切り返しが効く反面、路面を選び、扱いにコツがいる。→ 試合中心・中〜高学年、チームからOKが出たら
「HG」「AG」「FG」も横文字で身構えますが、意味は「その突起がどの地面向きか」だけ。HG=土や固い人工芝向き、AG=人工芝向き、FG=天然芝向きです。少年サッカーは土や人工芝が多いので、スパイクを買うならHG(またはAG)を選べばまず外しません。ただ、練習が中心の時期は、無理にスパイクへ進まずトレシューが主力で十分です。
△ここだけ注意:足あたりがシンプルなぶん、幅広・甲高の子には少しタイトに感じることも。幅が気になる子は次の第5章のワイドモデルも見てください。
03スパイクへの切り替えはいつ?
「じゃあ、トレシューからスパイクにはいつ替えればいいの?」。目安は中学年(3〜4年生)ごろ、試合に出る機会が増えてきたとき、またはチームからOKが出たタイミングです。あわてる必要はありません。
スパイクが活きるのは、動きが強く・速くなり、踏ん張りや切り返し(急な方向転換)が増えてくる時期。逆に、まだそこまで動きが強くない時期に履くと、突起が効きすぎてかえって滑ったり転んだりしがちです。実際、低学年のうちはスパイクを非推奨にしているチームもあります。周りが履き始めたか・チームの指示が出たかを見ながら、お子さんのペースで移行すれば大丈夫です。
なお、スパイクデビュー後もトレシューは1足あると便利。雨上がりのぬかるみ、人工芝オンリーの施設、体育館まわりでの練習など、スパイクが向かない場面は意外と多いからです。「トレシュー→スパイク」は乗り換えというより、足していくイメージで考えてください。
スパイクに進むときも、金具(金属の突起)が付いたタイプは小学生では使いません。多くの少年サッカーの大会で使用が制限されています。買うなら突起がゴムや樹脂でできた子ども向けのHG(またはAG)モデルを選びましょう。
04サイズの選び方|大きめ買いが一番危ない
トレシュー選びでいちばん多い失敗が、これです。「どうせすぐ大きくなるから、大きめを買っておこう」。気持ちはよく分かります。決して安い買い物ではありませんから。でも、これがいちばん危ない選び方なんです。
大きすぎる靴の中では、足が前後に滑ります。すると子どもは無意識に足の指を丸めて踏ん張るようになり、まっすぐ走れない・うまく蹴れない・つまずきやすい、という悪循環に入ります。せっかくの練習が「なんだか走りにくい」ものになってしまう。だから、余りはつま先に5〜10mm(大人の小指の半分くらい)。大きめに買うとしても、最大1cmまでと覚えておいてください。
家やお店では、この手順で確かめてみてください。
- サッカー用の靴下を履いて試す:サッカーのソックスは厚手です。普段の薄い靴下で試すと、実際にはきつくなります。
- かかとを合わせてから、つま先を確認:かかとをトントンと合わせ、つま先に5〜10mmの余りがあるか押して確かめます。
- 両足とも試す:左右で足の大きさが違うことはよくあります。大きいほうの足に合わせましょう。
- 少し歩く・走ってみる:かかとが浮かないか、指が当たっていないかを本人に聞いてみます。
低学年(1〜2年)→ おおよそ17〜19cm/中学年(3〜4年)→ 19〜22cm/高学年(5〜6年)→ 22〜24.5cm。
あくまで目安です。同じ学年でも足の大きさは大きく違うので、必ず「今、実際に測った足のサイズ」で選び、上の学年別は買い替え時期の見当に使ってください。ネットで買うときは、サイズ交換ができるショップだと安心です。
05幅広・甲高の子のトレシュー選び
「サイズは合っているはずなのに、痛いと言う」「靴の横がパンパンに張っている」。その場合、原因は長さではなく幅かもしれません。日本の子どもには幅広・甲高の足が多く、標準的な細身モデルだと、長さが合っていても横がきつい、ということが起こります。
見分け方はかんたんです。靴を履いた状態で、足の幅が甲の素材を外に押し出して膨らんでいたら、幅が足りていないサイン。マジックテープやひもを一番ゆるくしてもきつそうなら、甲の高さが合っていません。その場合は「ワイドモデル」「3E(EEE)相当」と表記されたモデルを選びましょう。主要ブランドには、日本の子どもの足に合わせたワイド設計のトレシューがあります。
とくに低学年は、幅広対応かつマジックテープのモデルだと安心。横のゆとりで足が痛くなりにくく、しかも自分で脱ぎ履きできるので、朝の支度も練習前後もスムーズです。
△ここだけ注意:幅広向けなので、細めの足の子が履くと中で足が泳ぎます。あくまで「横がきつい子」向けの一足です。
幅広向けのワイドモデルは、細めの足の子が履くと中で足が泳いでしまいます。「みんながこれだから」ではなく、お子さんの足の形に合うかで選ぶのが正解。可能なら一度試着を、難しければサイズ・幅交換ができるショップを選びましょう。
06予算の目安|3,000〜5,000円で十分な理由
「最初だから、ちょっといいものを買ってあげたい」。親心としては自然ですが、練習用のトレシューは3,000〜5,000円で十分です。上位の1万円超のモデルは、このタイミングでは必要ありません。
理由は、買い替えのサイクルにあります。小学生の足は半年〜1年でサイズが変わるため、どんな高級モデルでも、履ける期間は同じ。上位モデルの性能差より、「今の足にピッタリ合っていること」のほうが、練習でのプレーには圧倒的に大事なんです。高い一足を長く履かせようとして大きめを買う——これが、前の章で触れた「一番危ない選び方」につながってしまいます。
浮いた予算は、すね当てや練習用ボール、そして次のサイズの靴代に取っておくのが現実的。「1足に1万円」より「3,000〜5,000円を足に合わせてこまめに」が、成長期の足にはやさしい選択です。
① 練習用トレシューは3,000〜5,000円で必要十分
② 上位1万円超モデルの性能差より「足に合っているか」が優先
③ 浮いたお金は次のサイズの買い替え代にプールしておく
07現場の声+買う前の安心チェック
最後に、監修コーチのチームで実際に聞こえてくる、保護者のリアルな声を紹介します。同じ「サッカー未経験の親」の実感なので、いちばん参考になるはずです。
「スパイクを先に買ってしまったけど、土の日は滑って転んでばかり。トレシューにしたら安定して走れるようになった」
「TFって何?から始まったけど、要は運動靴の仲間だと分かって気がラクになった」
「最初に張り切って高いのを買ったけど半年でサイズアウト。次からは安めのトレシューをこまめに替えてる」
「うちは幅広で標準のを履かせたら『痛い』と。ワイドのトレシューにしたら文句を言わなくなった」
こうした声からも分かるとおり、練習用トレシューは「安く・扱いやすく・足に合う」で十分。あとは、ネットで買うときの不安さえ消せれば安心です。
ネット購入でいちばん怖いのは「サイズ間違い」。でも大丈夫です。楽天で「サイズ交換無料」と書いてあるショップを選べば、届いて合わなくても交換できます。届いたらまず室内で試着 → OKなら外で使いましょう(外で履くと交換できなくなります)。有名スポーツ量販店など正規の販売店を選べば、本物が届くので安心です。
よくある質問
トレーニングシューズとスパイクの違いは何ですか?
トレシュー(TF)はゴム底に小さな凹凸が全面に付いた靴で、土でも人工芝でも幅広く使え、足への負担がマイルドです。スパイクは裏に大きめのポイント(突起)が付き、踏ん張りや切り返しが効く反面、路面を選び、低学年や練習では滑って転びやすいことも。練習メインならまずは扱いやすいトレシューがおすすめです。
TF・HG・AG・FGって何のことですか?
靴裏の突起が「どの地面向きか」を表す記号です。TF=ゴム底の全面イボイボ(トレシュー・土/人工芝OK)、HG=土や固い人工芝向きのスパイク、AG=人工芝向き、FG=天然芝向き。少年サッカーは土・人工芝が多いので、トレシューはTF、スパイクを買うならHG(またはAG)を選べばまず外しません。
トレシューだけで大丈夫?スパイクはいらない?
練習が中心の低〜中学年なら、トレシューだけでも十分やっていけます。スパイクが必要になるのは、試合に出る機会が増える中学年ごろや、チームから指示が出たとき。スパイクデビュー後も、雨上がりや人工芝の日にトレシューは役立つので、1足あると長く使えます。
サイズは大きめを買っていいですか?
大きめ買いが一番危ないです。つま先の余りは5〜10mm、大きくても最大1cmまで。それ以上大きいと靴の中で足が滑り、走り方が崩れたり転びやすくなったりします。必ず今の実寸で選び、サッカー用の厚手ソックスを履いて試してください。
いくらくらいのトレシューを買えばいい?
3,000〜5,000円で十分です。子どもの足は半年で0.5cmほど伸びてすぐサイズアウトするため、1万円超の上位モデルでも履ける期間は同じ。高い一足より、足に合うものをこまめに替えるほうが結果的にお得で、足にもやさしい選択です。成長やケガが心配なときは、専門家に相談すると安心です。
学年や足の形から、お子さんにピッタリの一足をもっとしっかり選びたい方は、比較ページを用意しています → 比較ランキングで学年・足型からピッタリを選ぶ
「サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる」
少年サッカーの育成年代を指導して3年目、これまで延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断力・認知・立ち位置・パススピード・切り替え、GKからのビルドアップを軸に、「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。毎月、練習設計と自己内省をレポートにまとめてPDCAを回す、分析型の指導者です。
現場でサッカー未経験の保護者の声を大切にしてきました。専門用語をゼロに噛み砕き、「親が今日からできること」に翻訳してお届けします。
当サイトの用品・ルール・練習の記事は、公開前に監修コーチが内容を確認しています。事実に関わる記述は一次情報・公式情報にあたって整理しています。