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親の関わり方

試合後の声かけ|負けた日・ミスした日に親がかける言葉【U10コーチ監修】

PITCH NAVI 編集部|2026.07.15 更新|読了 約9

監修現役 U10・8人制サッカーコーチ指導3年目・延べ50名を指導

試合が終わって、駐車場へ向かう帰り道。今日は負けた試合。ユニフォームのまま下を向いた我が子は、ひとことも話さない。「なにか声をかけてあげたい」——でも、へたに言うと余計に傷つけそうで、言葉が出てこない。サッカーを自分ではやってこなかったパパ・ママにとって、試合後のこの数分は、一週間でいちばん緊張する時間かもしれません。この記事を読み終えるころには、勝った日も、負けた日も、ミスした日も、迷わずかけられる「第一声」が見つかります。

ここで大切なのは、上手な励まし方のテクニックではありません。順番です。試合直後に「勝った?」「なんで負けたの?」と聞くか、それとも別の一言から入るか。たったこれだけで、子どもが次の試合に向かう勇気は大きく変わります。

\ 先に結論・今日の帰り道から /

試合後の第一声は、「勝った?」でも「なんで負けたの?」でもなく、「今日、楽しかった?」。勝敗の確認も、反省も、いったん全部あとまわしでOKです。まずこの一言だけで、子どもは「結果が悪くても、ここは安全だ」と感じられます。反省するなら、その日の夜ではなく、気持ちが落ち着いた次の練習前に、一つだけ。→ シーン別の声かけ早見表はこの記事の最後にまとめました。

この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。毎週末、試合後のグラウンドで、たくさんの親子の帰り際を見てきました。そこで何度も感じるのは、負けた試合の直後に、勝敗ではなく「今日のチャレンジ」を先に拾ってもらえた子は、次の試合で目に見えて伸び伸びするということです。以前、大差で負けた試合のあと、ある保護者が開口一番「最後まで走ってたの、ちゃんと見てたよ」と声をかけていました。その子は次の週、明らかに顔つきが変わっていました。スコアボードには残らない一言が、子どもを動かすんです。

なお、試合"中"の声かけや、家での関わり方、審判への態度まで含めた「親のNG全般」は別の記事にまとめています。この記事は、あくまで試合が終わった直後〜その日の夜の「声かけ」だけに絞ってお伝えします。→ 少年サッカーで親がやってはいけないこと7つ

この記事の内容
01試合直後の「3秒」——最初の一言で、その日が決まる
02【負けた試合】いちばん言葉が要る日の声かけ
03【勝った試合】勝った日こそ、スコアを主役にしない
04【ミス・交代の試合】結果じゃなく「挑戦」を拾う
05黙り込む・話したがらない時は「聞かない勇気」
06つい叱ってしまった後の“リカバリー”
07言葉の次は、その夜の5分
08シーン別・声かけ早見表(スマホ保存版)

01試合直後の「3秒」——最初の一言で、その日が決まる

試合終了の笛が鳴って、子どもがこちらに戻ってくる。その最初の3秒にかける一言が、その日いちばん心に残ります。ここで「勝った?」「何点取った?」と結果から入ると、子どもは無意識に「サッカー=結果を報告するもの」と学んでいきます。

でも、本当に伝えたいのは逆のはずです。勝っても負けても、あなたが挑戦したこと自体を見ているよ——。それを伝えるいちばん簡単な方法が、第一声を「楽しかった?」にすること。評価でも反省でもない、この一言が「また来週もやりたい」の入り口になります。

今日からの言い換え

NG:「勝った?」「何点入れた?」
OK:「今日、楽しかった?」

結果の確認は、子どもが自分から話し出したときで十分間に合います。まず気持ちを聞く。順番を変えるだけで、子どもの表情がゆるみます。

02【負けた試合】いちばん言葉が要る日の声かけ

負けた試合の帰り道は、親にとっても、いちばん言葉に迷う時間です。悔しくて泣いている、あるいは黙り込んでいる我が子を前に、「切り替えよう」「次があるよ」と励ましたくなります。でも、負けた直後の子どもがいちばん欲しいのは、前向きなアドバイスより、「悔しかったね」と気持ちをそのまま受け止めてもらうことです。

これは現場でも強く感じます。負けて落ち込んでいる子に、すぐ「どこが悪かったか」を話しても、ほとんど入っていきません。心が悔しさでいっぱいのときは、まずその感情を認める。「悔しいよね、それだけ本気でやってた証拠だよ」と言われて初めて、子どもは落ち着いて次を向けるようになります。反省や課題の話は、その日の夜ではなく、気持ちが戻った数日後に、一つだけで十分です。

負けた直後に言わないであげたい言葉

「なんで負けたと思う?」「あそこでシュート決めてれば」「もっと走らないから」——正論であっても、悔しさの真っただ中では“追い打ち”として届きます。原因の分析は、心が落ち着いてから。

今日からの言い換え

NG:「切り替えて、次がんばろう!」(気持ちを飛ばしてしまう)
OK:「悔しかったね。最後まであきらめてなかったの、見てたよ」

まず気持ちに寄り添う。前を向かせるのは、そのあとで大丈夫です。

03【勝った試合】勝った日こそ、スコアを主役にしない

勝った日は、親子ともに気分がいい。だからこそ、つい「勝った勝った!」「◯◯が点取ったからね!」とスコアや得点者だけを主役にしてしまいがちです。もちろん喜ぶのは大歓迎。ただ、勝ちや得点だけをほめ続けると、子どもは「勝てなかった日/点を取れなかった日の自分」には価値がないと感じ始めます

U10年代でいちばん伸ばしたいのは、点を取る力そのものより、「自分で見て、考えて、勇気を出して仕掛けた」経験です。勝った日でも、点にからんでいない子はたくさんいます。その子の「よく守ってたね」「あのパス、味方が助かってたよ」を拾ってあげると、得点者以外の子も自信を持てます。勝った日は、ほめる対象を"スコア"から"中身"に少しずらすチャンスです。

今日からの言い換え

NG:「勝ったね! 何点取った?」だけで終わる
OK:「勝ったね! 今日、自分でいちばんナイスだったプレーはどれ?」

勝敗の喜びに、本人の“中身”をふり返る問いを一つ足すだけ。得点しなかった日も自信が続きます。

04【ミス・交代の試合】結果じゃなく「挑戦」を拾う

シュートを外した。パスミスから失点した。あるいは、早い時間に交代を告げられてベンチに下がった——。子どもがいちばん傷ついている試合こそ、声かけの出番です。ここで「なんで外したの」「だから言ったのに」と結果を責めると、子どもは次から「ミスしないこと」を最優先にプレーするようになります。それは、裏を返せば「挑戦しないこと」とほぼ同じです。

サッカーは、仕掛けて失敗した数だけうまくなるスポーツです。だから拾うべきは、結果ではなくその手前の“挑戦”。「あそこ、自分から仕掛けにいったよね」「怖い場面で、逃げずにボール受けにいってたよ」。記録に残らないその一歩を言葉にしてあげると、子どもは「失敗しても、挑戦は見てもらえる」と学び、もっと勇気を出せるようになります。交代でベンチに下がった日も同じ。出ていた時間の中の小さな一歩を、一つでいいので見つけて伝えてあげてください。

今日からの言い換え

NG:「なんで今の外したの?」
OK:「ナイスチャレンジ! あそこ、よく自分から狙いにいったね」

評価するのは結果ではなく、挑戦したこと。ミスは責めず、勇気を見つけて声に出す。これだけで顔つきが変わります。

05黙り込む・話したがらない時は「聞かない勇気」

「今日どうだった?」と聞いても、返事は「べつに」。それ以上聞くと不機嫌になる——。試合後に子どもが黙り込むのは、やる気がないからではありません。自分の中で気持ちを整理している最中だったり、単にお腹が空いて疲れているだけだったりします。ここで質問を重ねると、帰り道が“尋問”になってしまいます。

そんな日は、無理に話させようとせず、「聞かない勇気」を持ってください。「おつかれさま。お腹すいたね、何食べて帰ろうか」——それくらいでちょうどいい。子どもは、話したくなったら自分から話します。親が根掘り葉掘り聞かないでいてくれる、その安心感のほうが、よほど関係を強くします。

黙っている子にやりがちなこと

「なんで黙ってるの」「話してくれなきゃ分からないでしょ」と問い詰める/機嫌をとろうと質問を重ねる。どちらも逆効果です。沈黙は、そっとしておいて大丈夫。

06つい叱ってしまった後の“リカバリー”

ここまで読んで、「今日、まさに車の中で言っちゃった…」と胸が痛んだ方もいるかもしれません。大丈夫です。完璧な親はいません。 大事なのは、言ってしまったあとに戻ってこられるかどうかです。

つい結果を責めてしまったと気づいたら、その日のうちに、短くていいので言い直してください。「さっきは言いすぎた。ごめん。悔しかったのはあなたも一緒だよね」。親が素直に謝る姿は、子どもにとって「失敗しても謝れば大丈夫」という何よりのお手本になります。声かけは、一発で正解を出す必要はありません。間違えたら、戻ってくる。その繰り返しでいいんです。

今夜できるリカバリー

言いすぎたと思ったら、寝る前に一言だけ。「さっきはごめん。今日、最後まで走ってたのはすごかったよ」。マイナスで終わった一日を、最後にプラスで上書きしてあげてください。

07言葉の次は、その夜の5分

ここまで「何を言うか」をお伝えしてきました。でも、子どもの自信をいちばん育てるのは、実は言葉そのものより「一緒に過ごした時間」だったりします。試合の日の夜、5分だけ、親子で一緒にボールにさわってみてください。叱られた記憶ではなく「お父さん・お母さんと一緒にやった時間」が積み重なると、子どもは自然とサッカーを好きでい続けられます。

技術を教える必要はありません。未経験でも横で一緒にできる、かんたんなメニューがあります。→ 親子でできるおうちサッカー練習・ボールタッチ5選

そしてもう一つ、言葉が苦手でも親にできる応援があります。それが「道具を整えてあげること」。足に合わないスパイクは、痛みやプレーのしづらさにつながることがあります。技術は教えられなくても、その子の足に合う一足を選んであげることは、親にしかできないサポートです。学年と足型で選ぶだけの早見表を用意しました。→ ジュニアスパイクの選び方・比較を見る

08シーン別・声かけ早見表(スマホ保存版)

最後に、試合後のシーン別に「第一声」をまとめました。試合の前や帰り道に、スマホでサッと見返してください。これがあれば、もう「何て声をかけよう」と緊張しなくて済みます。

試合後の第一声・早見表

共通の第一声:「今日、楽しかった?」

負けた日:「悔しかったね。最後まであきらめてなかったよ」
勝った日:「今日、自分でナイスだったプレーはどれ?」
ミスした日:「ナイスチャレンジ! よく自分から狙ったね」
交代した日:「出てた時間、あの守り、味方が助かってたよ」
黙ってる日:「おつかれさま。何食べて帰ろうか」
叱っちゃった後:「さっきはごめん。走ってたの、すごかったよ」

試合のどこを見ればいいか自体に迷う、という方は、観戦の視点をまとめた記事もあわせてどうぞ。見る場所が変わると、自然とかける言葉も変わります。→ 少年サッカーの試合の見方・親の楽しみ方

最後に一つだけ。私が指導でいちばん大事にしているのは、サッカーが上手い選手を育てることではなく、サッカーを通じて「かっこいい大人」になれる子を育てることです。勝ち負けより、その土台のほうがずっと大切。だから、試合後の声かけも「勝たせるため」ではなく「いい大人に育てるため」と考えると、力みが抜けて、やさしい言葉が自然と出てきます。今日の帰り道、まずは「楽しかった?」から。それだけで大成功です。

よくある質問

Q

負けて泣いている子に、何て声をかければいい?

A

まずは気持ちをそのまま受け止めてあげてください。「悔しかったね、それだけ本気でやってた証拠だよ」と、感情を否定せずに認めるのが第一声です。負けた直後に『どこが悪かったか』を話しても、心が悔しさでいっぱいのときはほとんど入りません。原因の話や次への切り替えは、気持ちが落ち着いた数日後に一つだけで十分です。

Q

試合後、『どうだった?』と聞いても『べつに』としか返ってきません。

A

無理に話させようとしなくて大丈夫です。試合後に黙るのは、やる気がないのではなく、気持ちを整理していたり、疲れてお腹が空いていたりするだけのことが多いです。『おつかれさま、何食べて帰ろうか』くらいで十分。子どもは話したくなったら自分から話します。聞かないでいてくれる安心感のほうが、関係を強くします。

Q

その日の反省会は、やってはいけないの?

A

『やってはいけない』わけではありませんが、試合直後や当日の夜は避けるのがおすすめです。感情が高ぶっているときの反省は、追い打ちになりやすいからです。ふり返るなら、気持ちが落ち着いた次の練習前などに、課題を一つだけ、前向きな言い方で。『次はここを試してみようか』くらいがちょうどいいです。

Q

つい結果を責めてしまいました。もう手遅れですか?

A

手遅れではありません。完璧な親はいません。大事なのは、言ってしまったあとに戻ってこられるかどうかです。その日のうちに『さっきは言いすぎた、ごめん』と短く言い直してあげてください。親が素直に謝る姿は、子どもにとって『失敗しても謝れば大丈夫』という一番のお手本になります。

Q

勝った日は、思いきりほめてもいいですよね?

A

もちろんです! 一緒に喜ぶのは大歓迎です。ひとつだけ意識したいのは、スコアや得点だけをほめ続けないこと。『今日、自分でナイスだったプレーはどれ?』と中身をふり返る問いを足すと、点を取らなかった日や勝てなかった日の自分にも、子どもが価値を感じられるようになります。

「うちの子の場合は?」という悩みは、人それぞれ。試合中の関わり方や家でのサポートまで含めた、親の声かけのヒントを、ほかにもまとめています。→ 少年サッカーで親がやってはいけないこと7つを見る

この記事の監修
監修現役 U10・8人制サッカーコーチ

サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる

少年サッカーの育成年代を指導して3年目、これまで延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断力・認知・立ち位置・パススピード・切り替え、GKからのビルドアップを軸に、「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。毎月、練習設計と自己内省をレポートにまとめてPDCAを回す、分析型の指導者です。

現場でサッカー未経験の保護者の声を大切にしてきました。専門用語をゼロに噛み砕き、「親が今日からできること」に翻訳してお届けします。

当サイトの用品・ルール・練習の記事は、公開前に監修コーチが内容を確認しています。事実に関わる記述は一次情報・公式情報にあたって整理しています。

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