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親の関わり方

試合後の声かけ 具体例20選|負けた日・ミスした日に親がかける言葉

PITCH NAVI 編集部|2026.07.17 更新|読了 約10

監修現役 U10・8人制サッカーコーチ指導3年目・延べ50名を指導

試合後のベンチで母親が子どもの肩に手を置いて言葉をかけるアイキャッチ

試合が終わって、駐車場へ向かう帰り道。今日は負けた試合。ユニフォームのまま下を向いた我が子は、ひとことも話さない。「なにか声をかけてあげたい」——でも、へたに言うと余計に傷つけそうで、言葉が出てこない。サッカーを自分ではやってこなかったパパ・ママにとって、試合後のこの数分は、一週間でいちばん緊張する時間かもしれません。この記事を読み終えるころには、勝った日も、負けた日も、ミスした日も、迷わずかけられる「第一声」が見つかります。

ここで大切なのは、上手な励まし方のテクニックではありません。順番です。試合直後に「勝った?」「なんで負けたの?」と聞くか、それとも別の一言から入るか。たったこれだけで、子どもが次の試合に向かう勇気は大きく変わります。

\ 先に結論・今日の帰り道から /

試合後の第一声は、「勝った?」でも「なんで負けたの?」でもなく、「今日、楽しかった?」。勝敗の確認も、反省も、いったん全部あとまわしでOKです。まずこの一言だけで、子どもは「結果が悪くても、ここは安全だ」と感じられます。反省するなら、その日の夜ではなく、気持ちが落ち着いた次の練習前に、一つだけ。→ シーン別の声かけ早見表はこの記事の最後にまとめました。

この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。毎週末、試合後のグラウンドで、たくさんの親子の帰り際を見てきました。そこで何度も感じるのは、負けた試合の直後に、勝敗ではなく「今日のチャレンジ」を先に拾ってもらえた子は、次の試合で目に見えて伸び伸びするということです。以前、大差で負けた試合のあと、ある保護者が開口一番「最後まで走ってたの、ちゃんと見てたよ」と声をかけていました。その子は次の週、明らかに顔つきが変わっていました。スコアボードには残らない一言が、子どもを動かすんです。

なお、試合"中"の声かけや、家での関わり方、審判への態度まで含めた「親のNG全般」は別の記事にまとめています。この記事は、あくまで試合が終わった直後〜その日の夜の「声かけ」だけに絞ってお伝えします。→ 少年サッカーで親がやってはいけないこと7つ

01試合直後の「3秒」——最初の一言で、その日が決まる

試合終了の笛が鳴って、子どもがこちらに戻ってくる。その最初の3秒にかける一言が、その日いちばん心に残ります。ここで「勝った?」「何点取った?」と結果から入ると、子どもは無意識に「サッカー=結果を報告するもの」と学んでいきます。

でも、本当に伝えたいのは逆のはずです。勝っても負けても、あなたが挑戦したこと自体を見ているよ——。それを伝えるいちばん簡単な方法が、第一声を「楽しかった?」にすること。評価でも反省でもない、この一言が「また来週もやりたい」の入り口になります。

今日からの言い換え

NG:「勝った?」「何点入れた?」
OK:「今日、楽しかった?」

結果の確認は、子どもが自分から話し出したときで十分間に合います。まず気持ちを聞く。順番を変えるだけで、子どもの表情がゆるみます。

02【負けた試合】いちばん言葉が要る日の声かけ

負けた試合の帰り道は、親にとっても、いちばん言葉に迷う時間です。悔しくて泣いている、あるいは黙り込んでいる我が子を前に、「切り替えよう」「次があるよ」と励ましたくなります。でも、負けた直後の子どもがいちばん欲しいのは、前向きなアドバイスより、「悔しかったね」と気持ちをそのまま受け止めてもらうことです。

これは現場でも強く感じます。負けて落ち込んでいる子に、すぐ「どこが悪かったか」を話しても、ほとんど入っていきません。心が悔しさでいっぱいのときは、まずその感情を認める。「悔しいよね、それだけ本気でやってた証拠だよ」と言われて初めて、子どもは落ち着いて次を向けるようになります。反省や課題の話は、その日の夜ではなく、気持ちが戻った数日後に、一つだけで十分です。

負けた直後に言わないであげたい言葉

「なんで負けたと思う?」「あそこでシュート決めてれば」「もっと走らないから」——正論であっても、悔しさの真っただ中では“追い打ち”として届きます。原因の分析は、心が落ち着いてから。

今日からの言い換え

NG:「切り替えて、次がんばろう!」(気持ちを飛ばしてしまう)
OK:「悔しかったね。最後まであきらめてなかったの、見てたよ」

まず気持ちに寄り添う。前を向かせるのは、そのあとで大丈夫です。

03【勝った試合】勝った日こそ、スコアを主役にしない

勝った日は、親子ともに気分がいい。だからこそ、つい「勝った勝った!」「◯◯が点取ったからね!」とスコアや得点者だけを主役にしてしまいがちです。もちろん喜ぶのは大歓迎。ただ、勝ちや得点だけをほめ続けると、子どもは「勝てなかった日/点を取れなかった日の自分」には価値がないと感じ始めます

U10年代でいちばん伸ばしたいのは、点を取る力そのものより、「自分で見て、考えて、勇気を出して仕掛けた」経験です。勝った日でも、点にからんでいない子はたくさんいます。その子の「よく守ってたね」「あのパス、味方が助かってたよ」を拾ってあげると、得点者以外の子も自信を持てます。勝った日は、ほめる対象を"スコア"から"中身"に少しずらすチャンスです。

今日からの言い換え

NG:「勝ったね! 何点取った?」だけで終わる
OK:「勝ったね! 今日、自分でいちばんナイスだったプレーはどれ?」

勝敗の喜びに、本人の“中身”をふり返る問いを一つ足すだけ。得点しなかった日も自信が続きます。

04【ミス・交代の試合】結果じゃなく「挑戦」を拾う

シュートを外した。パスミスから失点した。あるいは、早い時間に交代を告げられてベンチに下がった——。子どもがいちばん傷ついている試合こそ、声かけの出番です。ここで「なんで外したの」「だから言ったのに」と結果を責めると、子どもは次から「ミスしないこと」を最優先にプレーするようになります。それは、裏を返せば「挑戦しないこと」とほぼ同じです。

サッカーは、仕掛けて失敗した数だけうまくなるスポーツです。だから拾うべきは、結果ではなくその手前の“挑戦”。「あそこ、自分から仕掛けにいったよね」「怖い場面で、逃げずにボール受けにいってたよ」。記録に残らないその一歩を言葉にしてあげると、子どもは「失敗しても、挑戦は見てもらえる」と学び、もっと勇気を出せるようになります。交代でベンチに下がった日も同じ。出ていた時間の中の小さな一歩を、一つでいいので見つけて伝えてあげてください。

今日からの言い換え

NG:「なんで今の外したの?」
OK:「ナイスチャレンジ! あそこ、よく自分から狙いにいったね」

評価するのは結果ではなく、挑戦したこと。ミスは責めず、勇気を見つけて声に出す。これだけで顔つきが変わります。

05黙り込む・話したがらない時は「聞かない勇気」

「今日どうだった?」と聞いても、返事は「べつに」。それ以上聞くと不機嫌になる——。試合後に子どもが黙り込むのは、やる気がないからではありません。自分の中で気持ちを整理している最中だったり、単にお腹が空いて疲れているだけだったりします。ここで質問を重ねると、帰り道が“尋問”になってしまいます。

そんな日は、無理に話させようとせず、「聞かない勇気」を持ってください。「おつかれさま。お腹すいたね、何食べて帰ろうか」——それくらいでちょうどいい。子どもは、話したくなったら自分から話します。親が根掘り葉掘り聞かないでいてくれる、その安心感のほうが、よほど関係を強くします。

黙っている子にやりがちなこと

「なんで黙ってるの」「話してくれなきゃ分からないでしょ」と問い詰める/機嫌をとろうと質問を重ねる。どちらも逆効果です。沈黙は、そっとしておいて大丈夫。

06つい叱ってしまった後の“リカバリー”

ここまで読んで、「今日、まさに車の中で言っちゃった…」と胸が痛んだ方もいるかもしれません。大丈夫です。完璧な親はいません。 大事なのは、言ってしまったあとに戻ってこられるかどうかです。

つい結果を責めてしまったと気づいたら、その日のうちに、短くていいので言い直してください。「さっきは言いすぎた。ごめん。悔しかったのはあなたも一緒だよね」。親が素直に謝る姿は、子どもにとって「失敗しても謝れば大丈夫」という何よりのお手本になります。声かけは、一発で正解を出す必要はありません。間違えたら、戻ってくる。その繰り返しでいいんです。

今夜できるリカバリー

言いすぎたと思ったら、寝る前に一言だけ。「さっきはごめん。今日、最後まで走ってたのはすごかったよ」。マイナスで終わった一日を、最後にプラスで上書きしてあげてください。

07言葉の次は、その夜の5分

ここまで「何を言うか」をお伝えしてきました。でも、子どもの自信をいちばん育てるのは、実は言葉そのものより「一緒に過ごした時間」だったりします。試合の日の夜、5分だけ、親子で一緒にボールにさわってみてください。叱られた記憶ではなく「お父さん・お母さんと一緒にやった時間」が積み重なると、子どもは自然とサッカーを好きでい続けられます。

技術を教える必要はありません。未経験でも横で一緒にできる、かんたんなメニューがあります。→ 親子でできるおうちサッカー練習・ボールタッチ5選

そしてもう一つ、言葉が苦手でも親にできる応援があります。それが「道具を整えてあげること」。足に合わないスパイクは、痛みやプレーのしづらさにつながることがあります。技術は教えられなくても、その子の足に合う一足を選んであげることは、親にしかできないサポートです。学年と足型で選ぶだけの早見表を用意しました。→ ジュニアスパイクの選び方・比較を見る

08試合後の声かけ 具体例20選(シーン別・スマホ保存版)

最後に、ここまでの内容をそのまま使える「第一声」20個にまとめました。シーン別に並べてあるので、試合の前や帰り道に、スマホでサッと見返してください。丸ごと覚える必要はありません。その日の状況に合う一言を、一つ選ぶだけでOKです。これさえあれば、もう「何て声をかけよう」と緊張しなくて済みます。

【共通】まず、この第一声から

1.「今日、楽しかった?」
2.「おつかれさま! 今日もよくがんばったね」
3.「もうお腹すいたよね。何食べて帰ろうか」

【負けた日】気持ちをそのまま受け止める

4.「悔しかったね。それだけ本気でやってた証拠だよ」
5.「最後まであきらめずに走ってたの、ちゃんと見てたよ」
6.「涙が出るのは、真剣にやったからだね」

【勝った日】スコアより“中身”を拾う

7.「勝ったね! 自分でいちばんナイスだったプレーはどれ?」
8.「点は取ってなくても、あの守りはすごく効いてたよ」
9.「みんなで勝てたね。誰のプレーが助かった?」

【ミス・失点した日】結果でなく“挑戦”をほめる

10.「ナイスチャレンジ! よく自分から狙いにいったね」
11.「外してもいいんだよ。仕掛けたことがすごい」
12.「怖い場面で、逃げずにボール受けにいってたね」

【交代・出番が少なかった日】

13.「出てた時間の、あの動き出しよかったよ」
14.「ベンチでも声を出してたの、チームに効いてたよ」

【黙り込む・話したがらない日】聞かない勇気

15.「話したくなったら、いつでも聞くからね」
16.「今日はゆっくりしよう。おつかれさま」

【つい叱ってしまった後】その日のうちに戻る

17.「さっきは言いすぎた、ごめん」
18.「悔しかったのは、あなたも一緒だよね」

【その夜・翌朝】プラスで上書きする

19.(寝る前に)「今日、最後まで走ってたのはすごかったよ」
20.(次の練習前に)「今日は一つだけ、あれを試してみようか」

この20個は、上から順にやる必要はありません。今日の我が子に合う一言を、一つ選ぶ。それだけで、帰り道の空気は変わります。

試合のどこを見ればいいか自体に迷う、という方は、観戦の視点をまとめた記事もあわせてどうぞ。見る場所が変わると、自然とかける言葉も変わります。→ 少年サッカーの試合の見方・親の楽しみ方

最後に一つだけ。私が指導でいちばん大事にしているのは、サッカーが上手い選手を育てることではなく、サッカーを通じて「かっこいい大人」になれる子を育てることです。勝ち負けより、その土台のほうがずっと大切。だから、試合後の声かけも「勝たせるため」ではなく「いい大人に育てるため」と考えると、力みが抜けて、やさしい言葉が自然と出てきます。今日の帰り道、まずは「楽しかった?」から。それだけで大成功です。

よくある質問

Q

負けて泣いている子に、何て声をかければいい?

A

まずは気持ちをそのまま受け止めてあげてください。「悔しかったね、それだけ本気でやってた証拠だよ」と、感情を否定せずに認めるのが第一声です。負けた直後に『どこが悪かったか』を話しても、心が悔しさでいっぱいのときはほとんど入りません。原因の話や次への切り替えは、気持ちが落ち着いた数日後に一つだけで十分です。

Q

試合後、『どうだった?』と聞いても『べつに』としか返ってきません。

A

無理に話させようとしなくて大丈夫です。試合後に黙るのは、やる気がないのではなく、気持ちを整理していたり、疲れてお腹が空いていたりするだけのことが多いです。『おつかれさま、何食べて帰ろうか』くらいで十分。子どもは話したくなったら自分から話します。聞かないでいてくれる安心感のほうが、関係を強くします。

Q

その日の反省会は、やってはいけないの?

A

『やってはいけない』わけではありませんが、試合直後や当日の夜は避けるのがおすすめです。感情が高ぶっているときの反省は、追い打ちになりやすいからです。ふり返るなら、気持ちが落ち着いた次の練習前などに、課題を一つだけ、前向きな言い方で。『次はここを試してみようか』くらいがちょうどいいです。

Q

つい結果を責めてしまいました。もう手遅れですか?

A

手遅れではありません。完璧な親はいません。大事なのは、言ってしまったあとに戻ってこられるかどうかです。その日のうちに『さっきは言いすぎた、ごめん』と短く言い直してあげてください。親が素直に謝る姿は、子どもにとって『失敗しても謝れば大丈夫』という一番のお手本になります。

Q

勝った日は、思いきりほめてもいいですよね?

A

もちろんです! 一緒に喜ぶのは大歓迎です。ひとつだけ意識したいのは、スコアや得点だけをほめ続けないこと。『今日、自分でナイスだったプレーはどれ?』と中身をふり返る問いを足すと、点を取らなかった日や勝てなかった日の自分にも、子どもが価値を感じられるようになります。

「うちの子の場合は?」という悩みは、人それぞれ。試合中の関わり方や家でのサポートまで含めた、親の声かけのヒントを、ほかにもまとめています。→ 少年サッカーで親がやってはいけないこと7つを見る

試合に出られない日が続いているお子さんには、こちらの声かけも参考になります → サッカーで補欠でも伸びる子|親のNG声かけとかけたい言葉

そもそも試合中に何を言っていいのかは指示が多いほど、決められない子になるへ。

この記事の監修
監修現役 U10・8人制サッカーコーチ

サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる

育成年代の指導3年目、延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断・認知・立ち位置を軸に「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。

用品・ルール・練習の記事は、公開前に監修コーチが内容を確認し、事実に関わる記述は一次情報にあたって整理しています。監修者について →

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