テレビでJリーグや日本代表の試合が流れると、わが子が食い入るように見ている——「せっかくなら、この時間を上達につなげられないかな」と思ったことはありませんか。じつはプロの試合を見ることは、家でできる最高の“サッカーの勉強”になります。ただし、ちょっとした見方のコツが必要です。この記事を読み終えるころには、親子でのプロ観戦が、楽しみながら上達につながる時間に変わります。
プロ観戦を上達につなげるコツは、「ボールばかり追わず、憧れの1人を決めて“その子がボールを持っていないとき”を見る」こと。うまい選手ほど、ボールがないときにいい動きをしています。まずは好きな選手のマネから。楽しむのが大前提です。
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この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。現場で実感するのは、プロの試合をよく見ている子は、動きの「引き出し」が多いということ。憧れの選手のプレーを見て、マネして、試合で試す——この繰り返しが、教わるだけでは身につかない感覚を育てます。ただし、ただ漠然と見るだけではもったいない。「どこを見るか」を少し意識するだけで、同じ90分が何倍もの学びに変わります。この記事で、その見方を紹介します。
01プロ観戦は「最高の教材」
まず知っておきたいのは、プロの試合を見ることは、立派な練習だということ。体を動かす練習と同じくらい、「うまい動きを目に焼きつける」ことは上達に効きます。
人は、見たものをマネします。子どもはとくにその力が高い時期。だから、トップレベルのプレーを繰り返し見ることで、「いい動き」の基準が自然と体に入っていくのです。教わって頭で理解するより、見て感覚でつかむほうが早いこともたくさんあります。テレビでも配信でも、プロの試合は最高の教材。それを、ただ流し見で終わらせないのがポイントです。
02ボールばかり追わない見方
多くの子(そして大人も)は、試合を見るときボールばかりを目で追います。でも、上達につながる見方は少し違います。
うまい選手の本当のすごさは、ボールを持っていないときの動きに隠れています。パスをもらう前にどこに動いているか、味方がボールを持ったとき自分はどう動くか——ここにこそ、学ぶべきものが詰まっています。だから、たまにはボールから目を離して、1人の選手をずっと見てみる。すると「あ、ボールがないときもこんなに動いてるんだ」と気づきます。この気づきが、わが子の「動き出し」を変えるきっかけになります。
・好きな選手が、ボールを持っていないときどこにいるか
・ボールを受ける前に、周りを見て(首を振って)いるか
・ボールを取られたあと、どれだけ早く守備に戻るか
これらは、そのままわが子が試合で意識できるポイントです。
03憧れの選手を1人決める
上達の近道は、「憧れの選手を1人決めること」。好きな選手ができると、その子のプレーを自然とよく見るようになり、マネしたくなります。この「マネしたい」という気持ちが、何よりの上達エンジンです。
ポジションが同じ選手だと、より参考になります。フォワードの子なら得点する選手、守備の子なら止める選手、というふうに。そして「あの選手のこういうところ、すごいね」と親が一緒に語ると、子どもの憧れはさらにふくらみます。日本代表の試合は、子どもが憧れを持つ絶好の機会。「自分もあの舞台に」という夢が、日々の練習の原動力になります。
04親子でできる「見る→マネする」
観戦を上達につなげる最強の方法が、「見る→マネする」のセット。試合で見た動きを、次の日に公園で試してみるんです。
「昨日の〇〇選手のあのフェイント、やってみようか」「ボールがないときのあの動き、マネしてみよう」——見ただけで終わらせず、体で試すと、記憶にも技術にも定着します。うまくできなくても大丈夫。「マネしてみる」こと自体が学びです。親子で「あの選手みたいにできるかな」と遊び感覚でやれば、プロ観戦が、そのまま家練習につながります。見る楽しさと、やる楽しさが循環していきます。
05スタジアム観戦のすすめ
もし機会があれば、スタジアムでの生観戦もおすすめです。テレビでは伝わらない、スピード・音・熱気を体で感じられます。
生で見ると、「プロってこんなに速いんだ」「こんなに走ってるんだ」と、画面越しでは分からない迫力に子どもは圧倒されます。その驚きが、「自分もあの場所で」という強い憧れになります。地域のJクラブの試合なら、比較的気軽に行けることも。特別な日として、家族でスタジアムへ足を運んでみてください。その1日が、子どものサッカー人生の忘れられない原点になるかもしれません。(観戦の持ち物や準備は、別記事も参考にどうぞ)
「『ボールを持ってないときを見て』と教えたら、子どもが動き出しを意識するようになった」
「憧れの選手ができてから、自分からマネして練習するように。好きって大事だと実感」
「試合で見た技を次の日に公園で試すのが親子の習慣に。楽しみながら上達している」
「スタジアムに連れて行ったら『自分もあそこでやりたい』と。あの日から練習の目が変わった」
06よくある質問
プロの試合を見せると、上達につながりますか?
つながります。人は見たものをマネするので、トップレベルのプレーを繰り返し見ると『いい動き』の基準が自然と体に入ります。とくに子どもはマネする力が高い時期。ただ流し見にせず、『どこを見るか』を少し意識すると、同じ試合が何倍もの学びになります。見る練習も、立派な上達法です。
どこを見るように言えばいいですか?
『ボールを持っていないときの動き』を見るよう促してみてください。うまい選手ほど、ボールがないときにいい動きをしています。好きな選手を1人決めて、その選手が受ける前にどこに動くか、周りを見ているか、取られた後どう戻るかを見ると、そのままわが子が試合で意識できるポイントになります。
何歳から見せるといいですか?
年齢の制限はありません。低学年でも、好きな選手を見つけて『かっこいい』と憧れるだけで十分価値があります。難しい戦術を理解させる必要はなく、まずは楽しむこと。憧れの気持ちが芽生えれば、それが練習の原動力になります。年齢より『楽しく見られているか』を大切にしてください。
ただ見ているだけで、マネしようとしません。
親から『あの動きやってみようか』と誘うのが効果的です。見ただけで終わらせず、次の日に公園で一緒に試すと定着します。うまくできなくても『マネしてみる』こと自体が学び。遊び感覚で『あの選手みたいにできるかな』とやってみてください。見る→やるの循環ができると、自分からマネするようになります。
海外サッカーと日本代表、どちらを見せるべき?
どちらでも構いません。大切なのは、子どもが憧れや興味を持てること。日本代表は『自分もあの舞台に』という夢につながりやすく、Jリーグは生観戦しやすい利点があります。好きな選手やチームができれば、リーグを問わずよく見るようになります。まずは本人が楽しめる試合から始めましょう。
見て学んだ動きを、次は自分の足で。プレーを気持ちよく試すには、足に合った一足も大切です。学年・足型から選びたい方は、比較ページをどうぞ。
見る→やるにつなげるなら 顔を上げる・視野を広げる練習 や 動き出し・オフザボール、観戦の準備は 試合の見方 もどうぞ。
「サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる」
少年サッカーの育成年代を指導して3年目、これまで延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断力・認知・立ち位置・パススピード・切り替え、GKからのビルドアップを軸に、「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。毎月、練習設計と自己内省をレポートにまとめてPDCAを回す、分析型の指導者です。
現場でサッカー未経験の保護者の声を大切にしてきました。専門用語をゼロに噛み砕き、「親が今日からできること」に翻訳してお届けします。
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