朝6時。まだ眠い子どもを助手席に乗せて、遠征会場まで1時間半。高速を降りて山道に入ったあたりで、後部座席から「気持ち悪い…」の声。到着したときには顔面蒼白、水も飲めず、アップにも入れない——せっかくの試合なのに、本調子にはほど遠い。こういう朝を何度も経験しているパパ・ママは、本当に多いです。車酔いは体質のせいだけではありません。朝食・座席・換気・休憩・酔い止め、この5つを整えるだけで、驚くほど変わります。この記事を読み終えるころには、遠征の朝に何をどう準備すれば、子どもをコンディション万全でピッチに立たせられるかが分かります。
遠征の車酔い対策は①朝食は消化のいいものを軽めに(空腹も満腹もNG) ②座席は進行方向・前寄り・窓側 ③30〜40分ごとにこまめな換気と休憩 ④酔いやすい子は乗る30分前に酔い止め ⑤スマホ・下向き作業を禁止し、遠くを見せる。この5点で、会場に着いてすぐ動ける状態を守れます。酔ってしまった後のケアも後半で解説。→ 学年・足型で選べる比較ランキングを見る(30秒)
この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。遠征の引率を何度もしてきて断言できるのは、車酔いは「試合の勝ち負け以前の問題」で子どものパフォーマンスを奪うということ。先日も、毎回のように遠征のたびに酔ってしまい、アップに入れず前半はベンチ、という低学年の子がいました。保護者の方と朝食・座席・休憩を1つずつ見直しただけで、次の遠征では会場に着いてすぐ元気にボールを蹴っていた。体質そのものは変わっていません。変えたのは「乗り方」だけ。特別なことは何もしていません。
01なぜ試合前の車酔いは「勝敗以前」の問題なのか
車酔い(動揺病)は、目から入る情報と、耳の奥の三半規管が感じる揺れがズレることで起こります。難しく言えばそれだけ。問題は、一度酔うと吐き気・冷や汗・だるさが試合開始まで尾を引くこと。水分もエネルギーも取れないまま、ピッチに立つことになります。
「体質だから仕方ない」とあきらめて、毎回そのまま遠征に連れて行く。会場で吐いて、水も飲めず、アップにも入れず、前半はベンチ。子ども自身が「また酔うかも」と車に乗るのを怖がるようになる——ここまで来ると、サッカーそのものが憂うつになってしまいます。
でも、これは準備でほぼ防げるものです。以下の5つを1つずつ整えるだけ。全部やらなくても、酔いやすい子ほど効果が大きく出ます。
02朝食は「軽め・消化重視」(空腹も満腹もダメ)
意外かもしれませんが、空腹でも満腹でも酔いやすくなります。「食べる時間がないから抜いていく」は逆効果。胃が空っぽだと胃液で気持ち悪くなりやすく、逆に脂っこいものを満腹まで食べると消化に負担がかかって吐き気につながります。
正解は、おにぎり・パン・バナナ・ヨーグルトなど消化のいいものを、いつもより少し軽めに。出発の1〜2時間前までに済ませておくと、車に乗るころには胃が落ち着いています。揚げ物・こってりしたもの・炭酸・柑橘系のジュースは、この日は避けるのが無難。先日も、朝マックのポテトを食べて出発した子がしっかり酔ってしまった例がありました。試合の日の朝食は「ごちそう」ではなく「コンディション調整」と考えると、選ぶものが変わってきます。
03座席で9割決まる(前・窓側・進行方向)
対策の中で、いちばん手っ取り早くて効くのが座る場所です。揺れが小さく、遠くの景色が見える席ほど酔いにくい。
- できるだけ前の席(後部座席より揺れが小さい)
- 窓側で、進行方向の遠くの景色が見える位置
- チャイルドシート・ジュニアシートは、目線が上がって遠くを見やすい高さに
- 兄弟や友達と乗るときも、酔いやすい子を優先して前・窓側へ
そして最大の敵が下を向く作業。スマホ・ゲーム・本・塗り絵は、目が近くの一点に集中して揺れとのズレが最大になり、酔いのスイッチが一発で入ります。「暇つぶしにスマホ」は、遠征の朝だけは封印。代わりに「あの山なに?」「次のトンネルまで何秒か数えよう」と遠くを見せる遊びに切り替えると、驚くほど酔いません。
04換気とこまめな休憩がいちばん効く
車内のこもったニオイ(芳香剤・タバコ・食べ物のニオイ)も、酔いの大きな引き金です。エアコンを外気導入にして空気を回す、時々窓を少し開ける。それだけで違います。
そして地味に最強なのがこまめな休憩。30〜40分に1回、サービスエリアやコンビニで車を降りて、外の空気を吸って少し歩く。三半規管がリセットされて、酔いが積み重なるのを防げます。「早く着きたいから」とノンストップで走るより、10分の休憩を挟んだほうが、結果的にいい状態で会場に着けます。遠征の到着時刻から逆算して、休憩を1〜2回組み込んだ出発時間にしておくと安心です。
05酔い止めは「乗る30分前」が鉄則
毎回ひどく酔う子は、酔い止め薬を上手に使うのも立派な対策です。ここで多い失敗が、飲むタイミング。
「気持ち悪くなってきたから飲む」では遅いです。多くの酔い止めは効き始めるまで時間がかかるため、車に乗る30分前に飲んでおくのが基本。子ども用の年齢・体重の用法用量を必ず守り、初めて使う薬は事前に薬剤師さんに相談を。試合当日にいきなり試すのではなく、練習日など「本番でない日」で一度試しておくと安心です。
眠くなりにくいタイプの子ども用酔い止めもあります。試合のパフォーマンスに影響しないよう、成分やタイプは薬局で相談して選んでください。薬に頼りきりにせず、朝食・座席・休憩の対策と組み合わせるのが、いちばん確実です。
06それでも酔ってしまった後のケア
対策をしても酔ってしまうことはあります。そのときは慌てず、すぐ車を停めて外の空気を吸わせるのが第一。横になれる場所があれば、目を閉じて少し休ませます。
会場に着いてから気持ち悪そうなら、無理にアップさせず、日陰で座って水分を少しずつ。冷たい水を一気に飲むと余計に気持ち悪くなるので、常温の水やスポーツドリンクをひと口ずつ。冷たいタオルで首の後ろを冷やすのも効きます。試合開始まで30分あれば、多くの子はかなり回復します。コーチや周りの大人に「今日は酔ってしまって」と一言伝えておけば、アップの入り方を調整してもらえます。恥ずかしがらず共有するのが、いちばん子どものためになります。
「スマホ禁止にして遠くを見せるだけで、あんなに酔ってた子がケロッとしてる」
「朝ごはん抜いて出たら余計ひどくて。軽く食べさせるのが正解だった」
「30分に1回休憩を入れる前提で早く出るようにしたら、会場ですぐ動けるように」
「酔い止めは乗る前に飲ませるって知らなかった。もっと早く教えてほしかった」
①朝食は軽め・消化のいいものを1〜2時間前に ②酔いやすい子は乗る30分前に酔い止め ③席は前・窓側、スマホは封印 ④外気導入で換気、30〜40分ごとに休憩 ⑤酔ったら停めて外気・常温の水をひと口ずつ。この順番でチェックすれば、コンディションを崩さず会場に着けます。足元の準備もあわせて → 学年・足型で選べる比較ランキング
よくある質問
朝食は食べさせたほうがいい?抜いたほうがいい?
軽めに食べさせるのが正解です。空腹だと胃液で気持ち悪くなりやすく、満腹だと消化に負担がかかって逆に酔いやすくなります。おにぎり・パン・バナナなど消化のいいものを、出発の1〜2時間前までに、いつもより少し軽めに。揚げ物・こってりしたもの・炭酸・柑橘系ジュースはこの日は避けると安心です。
酔い止めはいつ飲ませればいい?
車に乗る30分前が基本です。多くの酔い止めは効き始めるまで時間がかかるため、気持ち悪くなってから飲んでも間に合いません。子ども用の年齢・体重の用法用量を必ず守り、初めての薬は事前に薬剤師さんに相談を。眠くなりにくいタイプもあるので、試合当日でなく練習日などで一度試しておくと安心です。
座る場所で酔いやすさは変わりますか?
大きく変わります。後部座席より前の席のほうが揺れが小さく、窓側で進行方向の遠くの景色が見える位置ほど酔いにくいです。酔いやすい子を優先して前・窓側へ。逆にスマホ・ゲーム・本など下を向く作業は目線が近くに集中して一発で酔うので、遠征の朝だけは封印し、遠くの景色を見せる遊びに切り替えてください。
長距離の遠征で気をつけることは?
こまめな休憩と換気です。30〜40分に1回、車を降りて外の空気を吸い少し歩くと、三半規管がリセットされて酔いの積み重ねを防げます。車内は外気導入で空気を回し、芳香剤やニオイのこもりに注意。到着時刻から逆算して休憩を1〜2回組み込んだ出発時間にしておくと、いい状態で会場に着けます。
会場で酔ってしまったら試合に間に合いますか?
多くの場合、間に合います。まず車を停めて外の空気を吸わせ、日陰で座って常温の水やスポーツドリンクをひと口ずつ。冷たいタオルで首の後ろを冷やすのも効きます。試合開始まで30分あればかなり回復する子が多いです。無理にアップさせず、コーチに『今日は酔ってしまって』と一言伝えて入り方を調整してもらいましょう。
遠征そのものの持ち物や当日の流れが不安な方は、あわせて → 初めての遠征・合宿の持ち物ガイド/送迎・当番の負担を減らすコツ もどうぞ。
コンディション万全でピッチに立てたら、あとは足に合った一足を。→ 比較ランキングで学年・足型からピッタリを選ぶ
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少年サッカーの育成年代を指導して3年目、これまで延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断力・認知・立ち位置・パススピード・切り替え、GKからのビルドアップを軸に、「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。毎月、練習設計と自己内省をレポートにまとめてPDCAを回す、分析型の指導者です。
現場でサッカー未経験の保護者の声を大切にしてきました。専門用語をゼロに噛み砕き、「親が今日からできること」に翻訳してお届けします。
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