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ルール入門

試合中にケガをしたときのルールと流れ|親はピッチに入っていい?出血・頭部の扱いまで|現役U10コーチ監修

PITCH NAVI 編集部|2026.07.20 更新|読了 約9

監修現役 U10・8人制サッカーコーチ指導3年目・延べ50名を指導

試合中、うちの子がピッチの真ん中で倒れた。動かない。周りの選手も止まっている。でも笛は鳴らない——。フェンスの外で見ている親としては、心臓が止まりそうな数十秒です。「入っていいの?」「なんで試合を止めてくれないの?」。少年サッカーの現場で、いちばん親がパニックになる瞬間がここ。この記事を読み終えるころには、ケガが起きたときに試合がどう動くのか、親は何をして・何をしてはいけないのかが、落ち着いて分かるようになります。

\ 時間がない人へ・先に結論 /

覚えることは3つだけ。①治療はピッチの外でやるのが原則。②出血していたら必ず外に出て、血のついたユニフォームは交換。③親は呼ばれるまでピッチに入らない。頭を打ったときだけは別格で、迷ったら戻さない・その日は終わりが鉄則です。ケガの見分け方そのものは → 軽いケガの見分け方と応急処置

この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。監修コーチのチームで、去年こんなことがありました。3年生の子が競り合いで転倒し、腕を押さえてうずくまった。主審はプレーを止めず、相手チームがそのまま攻め上がった——その約8秒間、ベンチの空気が凍りました。実はこれ、ルールどおりなんです。主審は「重傷かどうか」を見極めて、軽そうなら攻撃を切らずに続ける判断をします。その8秒がとてつもなく長く感じるのは、親も、コーチも同じ。だからこそ、先に流れを知っておくだけで、あの数十秒の怖さがまるで違います

なお、大会ごと・地域ごとにローカルルールがあります(低学年は必ず止める、担架は主催者が用意する等)。実際の運用は所属チームと大会要項、各都道府県協会の案内で必ず確認してください。そして医療的な判断はここでは扱いません。痛みが続く・様子がおかしいときは、必ず医療機関を受診してください。

01プレーが止まる場合と、止まらない場合

まず、いちばん誤解が多いところ。選手が倒れても、試合が必ず止まるわけではありません。止めるかどうかを決めるのは主審で、判断のものさしはだいたいこうなっています。

    • すぐ止める:重傷が疑われるとき。頭を打った、意識がはっきりしない、大量に出血している、明らかに動けない
    • 止めない(続ける):軽い痛みに見えるとき。とくに相手チームが決定機を迎えている最中は、プレーが切れるまで待つ

「うちの子が倒れているのに、なぜ止めてくれないの」と感じる場面は、この「決定機を切らない」という考え方から生まれます。サッカーは攻撃のチャンスを不当に奪わないことを大事にする競技で、そのために軽傷なら流す。ただし少年サッカーでは安全が最優先なので、低学年ほど主審は早めに止める傾向があります。

⚠ NG:外から「止めろ!」と叫ぶ

気持ちは痛いほど分かります。でも外野の声で審判の判断がぶれると、かえって危ないんです。止めるかどうかは主審、その子の状態を見るのはコーチと役割が決まっている。親が大声を出すと、子どもは「大ごとだ」と感じて余計に怖くなります。まずは黙って見守る。呼ばれたら動く。これが結果的にいちばん子どもを守ります。

02治療はピッチの外で|なぜ外に出されるのか

プレーが止まって、コーチやスタッフが中に入って状態を確認したあと。多くの場合、その子はいったんピッチの外に出されます。「まだ痛がってるのに、なんで外に出すの?」と思う方もいますが、これは「治療はフィールドの外で行う」というサッカーの原則によるものです。

理由は2つ。ひとつは、試合を早く再開するため。ピッチ内でずっと手当てをしていると、他の21人(8人制なら15人)が止まったまま体が冷えていきます。もうひとつは、その子を落ち着かせるため。ピッチの真ん中は全員の視線が集まる場所で、痛みより恥ずかしさで泣いてしまう子も多い。外に出てタッチライン際に座ると、それだけで表情が緩む子が本当にたくさんいます。

外に出た子は、準備ができれば主審の合図で戻れます(プレー中なら主審が呼ぶまで待つ)。ここは大会運用で細かく違うので、チームの指示に従ってください。

03出血したときのルール|ユニフォーム交換まで

出血だけは、他のケガと扱いが違います。出血している選手は、必ずいったんピッチの外に出る。これは例外なしと考えてください。

そして見落とされがちなのがユニフォームの扱い血が付いたユニフォームは、そのままではピッチに戻れません。着替えるか、予備のシャツに替える必要があります。理由は衛生面——他の子や自分の傷口に血液が触れるのを防ぐためです。相手の子の血が付いた場合も同じ。

親が用意しておくと助かるもの

遠征バッグに予備のシャツ1枚を入れておくと、いざというときに試合に戻れます。あわせて清潔なタオル・絆創膏・ウェットティッシュがあると、鼻血や擦り傷はその場で対応できます。チームに救急セットがあっても、順番待ちになることがあるので、自前で最低限を持っていると安心です。

鼻血は少年サッカーでいちばん多い出血です。焦らず、座らせて少し前かがみにし、小鼻を指でつまんで押さえるのが基本。上を向かせると血がのどに流れるので避けます。止まらない・打ちどころが悪かったと感じるときは、無理に試合へ戻さず受診を。

04交代枠はどうなる?|ケガでの交代の扱い

「ケガで交代したら、交代枠を1つ使ったことになるの?」。これもよく聞かれます。

答えは大会によるです。少年サッカーの多くの大会では自由な交代(何度でも入れ替えできる形)が採用されていて、そもそも枠を気にしなくていいケースが多い。一方で、上のカテゴリーに近い大会では交代回数に上限があり、その場合ケガでの交代も1回にカウントされるのが一般的です。「ケガだから特別」という扱いが常にあるわけではないと思っておくのが安全です。

大事なのは、枠を気にして無理に戻さないこと。交代の基本ルールは交代のルールと人数にまとめています。実際の運用は必ず大会要項で確認してください。

⚠ 「あと5分だから我慢して」は禁物

残り時間が短いと、つい「もう少しだから」と言いたくなります。でも痛みをこらえて動く子は、かばう動きで別のところを痛めることが本当に多い。足首をかばって膝、膝をかばって腰。子どもの体はまだ出来上がっていません。1試合と、その先のサッカー人生を天秤にかけないでください。

05親はピッチに入っていいのか

結論から言うと、呼ばれるまで入らない。これが原則です。

ピッチはプレー中、主審が管理する場所です。誰でも自由に入れるわけではなく、外部の人が入るには主審の許可が要ります。だから親が勝手に走り込むと、試合が止まるだけでなく、状況の把握をしているコーチやスタッフの動きを邪魔してしまう。コーチが手を挙げて呼んだ、あるいは主審が保護者を呼んだ——そのときに、落ち着いて向かってください。

とはいえ、心配なのは当然です。だからやっていいことを先に決めておきましょう。

    • ベンチ寄りのタッチライン付近まで移動して、いつでも動ける位置にいる
    • コーチと目が合ったら、うなずいて「行けます」と合図する
    • 保険証・お薬手帳・タオル・飲み物をすぐ出せるようにしておく
    • 病院に行く可能性を考えて、車のキーと財布を手元に

そして子どものそばに着いたら、まず「大丈夫、ここにいるよ」と一言。親の落ち着きは、そのまま子どもの落ち着きになります。逆に親が取り乱すと、痛みが増幅されて泣き止まなくなる子が多いんです。

06頭を打ったとき|迷ったら戻さない

ここだけは、他のどの項目より強く書きます。頭を打ったときは、迷ったら戻さない。

少年サッカーでは、味方同士の衝突や、転倒して後頭部を打つ場面がどうしても起きます。怖いのは、直後はケロッとしていて、あとから症状が出ることがある点。本人が「大丈夫」と言うのは、判断材料になりません。子どもは試合に出たくて「平気」と言います。

⚠ この様子が一つでもあれば、その日は終わり

ぼーっとしている/同じことを何度も聞く/吐き気・嘔吐がある/頭痛が続く/ふらつく/視界がおかしい/直前の記憶があいまい。一つでも当てはまれば、その日はプレーさせない。そして早めに医療機関を受診してください。受診の要否や様子見の方法は自己判断せず、必ず医師に相談を。翌日以降も、しばらくは保護者が様子を見てあげてください。

「大げさかな」と思うくらいでちょうどいい。監修コーチのチームでは、頭部への衝撃があった時点でその日はプレー終了を基本にしています。1試合を諦める重さと、取り返しがつかないことの重さは、比べるまでもありません。

ケガのあと、痛みが引いてから復帰する流れはケガからの復帰の進め方を参考にしてください。復帰の判断は、必ず医師の指示が先です。

07現場の声と、家に帰ってからの見守り

監修コーチのチームで、実際に保護者から聞こえてきた声です。

💬 現場で聞いた保護者の声

倒れてるのに笛が鳴らなくて、思わず立ち上がった。でも軽傷なら流すルールだと後で知って納得しました

3年生のお子さんの保護者

鼻血が出て、ユニフォームに血が付いたら着替えないと戻れないと初めて知った。予備シャツを常備してます

2年生のお子さんの保護者

頭を打った日、本人は出たがったけどコーチが止めてくれた。あの判断に感謝しています

中学年のお子さんの保護者

駆け寄りたいのを我慢して待ちました。呼ばれてから行ったほうが、子どもも落ち着くんですね

低学年のお子さんの保護者
※ 監修コーチが少年サッカーの現場で実際に聞いた声です(個人が特定されない形で掲載しています)。感じ方には個人差があります。

家に帰ってからも、少しだけ気をつけてあげてください。お風呂に入れるか、湿布を貼っていいか、翌日の練習に行っていいか——迷ったら、行かせない側に倒すのが安全です。そして、痛みが翌日以降も続く、腫れが引かない、足をつけない、といったときは整形外科を受診してください。素人判断で「成長痛でしょう」と決めつけないことが、いちばんの予防になります。

そしてもうひとつ。転倒やひねりの多くは、路面に合っていない靴が引き金になります。土のグラウンドでスタッドが噛まない、逆に人工芝で引っかかりすぎる。そのわずかなズレが、足首をひねる一歩になるんです。

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よくある質問

Q

子どもが倒れているのに、なぜ試合が止まらないのですか?

A

主審が重傷ではないと判断した場合、プレーを切らずに続けることがあるためです。特に相手が決定機を迎えている最中は、切れるまで待つのが一般的な考え方です。ただし少年サッカーでは安全が最優先で、低学年ほど早めに止める傾向があります。運用は大会ごとに違うので、大会要項やチームの説明も確認してください。

Q

ケガの治療はピッチの中でしてもらえないのですか?

A

治療はフィールドの外で行うのが原則です。試合を早く再開するためと、注目が集まる場所から離して子どもを落ち着かせるためでもあります。準備ができれば、主審の合図でピッチに戻れます。細かい運用は大会によって異なります。

Q

血が出たらどうなりますか?ユニフォームはそのままで戻れますか?

A

出血した選手はいったんピッチの外に出るのが原則で、血が付いたユニフォームのままでは戻れません。衛生面の配慮から、着替えるか予備のシャツに替える必要があります。遠征バッグに予備シャツを1枚入れておくと安心です。

Q

親はピッチに入って駆け寄ってもいいですか?

A

呼ばれるまで入らないのが原則です。ピッチはプレー中、主審が管理する場所で、外部の人が入るには許可が必要になります。コーチや主審に呼ばれてから向かってください。それまでは、すぐ動ける位置で保険証やタオルを準備しておくのが役に立ちます。

Q

頭を打ちましたが本人は大丈夫と言っています。試合に戻してよいですか?

A

戻さないでください。頭部への衝撃は、直後は元気でも後から症状が出ることがあります。ぼんやりする、吐き気、頭痛、ふらつき、記憶があいまいといった様子が一つでもあれば、その日はプレーを終わりにして、早めに医療機関を受診してください。復帰の判断は必ず医師の指示に従ってください。

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この記事の監修
監修現役 U10・8人制サッカーコーチ

サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる

少年サッカーの育成年代を指導して3年目、これまで延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断力・認知・立ち位置・パススピード・切り替え、GKからのビルドアップを軸に、「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。毎月、練習設計と自己内省をレポートにまとめてPDCAを回す、分析型の指導者です。

現場でサッカー未経験の保護者の声を大切にしてきました。専門用語をゼロに噛み砕き、「親が今日からできること」に翻訳してお届けします。

当サイトの用品・ルール・練習の記事は、公開前に監修コーチが内容を確認しています。事実に関わる記述は一次情報・公式情報にあたって整理しています。

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