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親の関わり方

サッカーのやる気がない子どもへの接し方|NG声かけと自然にやる気が戻る関わり方

PITCH NAVI 編集部|2026.07.17 更新|読了 約9

監修現役 U10・8人制サッカーコーチ指導3年目・延べ50名を指導

「早く準備しなさい、練習始まっちゃうよ」。返事はするのに、ソファから動かない。あんなに楽しそうにボールを蹴っていたのに、最近は自主練もしないし、練習の日の朝はどこか気が重そう——。「うちの子、やる気がなくなったのかな」と、モヤモヤしていませんか。

\ 時間がない人へ・先に結論 /

子どものやる気に波があるのは、異常ではなく普通です。大事なのは「やる気を出させる」ことではなく、原因を見分けて、火を消さない関わりをすること。「やる気ないならやめなさい」だけは言わないでください。この一言が、消えかけの火に水をかけます。

この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。正直に言うと、現場で子どもたちを見ていて「1年間ずっとやる気満々」という子は、ほとんど見たことがありません。うちのチームでも、学年の変わり目や連戦のあとには、17人いれば数人は必ず「なんとなく元気がない時期」に入ります。そして、その大半は数週間で自然に戻ってきます。やる気は消えたのではなく、いったん沈んでいるだけ。それを前提に、順番に見ていきましょう。

01「やる気の波」は、成長のサイクルの一部

まず、いちばんお伝えしたいことから。やる気に波があるのは、子どもが成長している証拠です。

大人だって、仕事のモチベーションが一定の人はいませんよね。子どもはなおさらです。体が急に大きくなる時期、学校で環境が変わる時期、サッカーが「できて楽しい」から「うまくいかなくて悔しい」に変わる時期——節目のたびに、気持ちは上下します。

現場でよく見るのは、「壁にぶつかる直前」にやる気が沈むパターンです。今までのやり方が通用しなくなって、本人も理由が分からないまま「なんか楽しくない」と感じている。これは停滞ではなく、次のレベルに上がる手前の踊り場のようなものです。

だから「やる気がない=サッカーが嫌いになった」と早合点しないこと。まずは「今は波の下にいるんだな」と、親が一歩引いて見てあげるところからです。

02やる気が沈む4つの原因と見分け方

とはいえ、波の下にいる理由はそれぞれです。現場でよく見るのは、この4つ。原因によって対応が変わるので、見分け方とセットで押さえてください。

  • ① 疲れている:連戦・宿題・他の習い事でキャパオーバー。見分け方は「サッカー以外でもダラダラしているか」。全体的に元気がないなら、まず休養です。
  • ② 友だち関係:仲のいい子が休みがち、チーム内でちょっとした揉めごとがあった、など。見分け方は「練習の話を急にしなくなったか」。特定の話題を避けるのはサインです。
  • ③ 比較されて自信をなくした:レギュラー争い、周りの子の上達、誰かの一言。見分け方は「『どうせ』『無理』が口ぐせになっていないか」。
  • ④ 単純に飽きてきた・マンネリ:同じ練習の繰り返しで新鮮さがない。見分け方は「試合の日は楽しそうか」。試合は楽しいのに練習だけ嫌がるなら、これが濃厚です。

原因を探るときのコツは、正面から「なんでやる気ないの?」と聞かないこと。責められた気がして、心を閉じてしまいます。車の中・お風呂・寝る前など、目を合わせない時間に「最近どう?」と横から聞くと、ぽつぽつ本音が出てきます。

💬 現場で聞いた保護者の声

行く前はグズグズなのに、帰ってくると「楽しかった」って言うんです。どっちが本音なのか分からなくて…

小3男子のお母さん

自主練しなさいと言うのをやめたら、逆に自分から庭でボールを触る日が増えました。言えば言うほど逆効果だったみたいです

小4男子のお父さん
※ 監修コーチが少年サッカーの現場で実際に聞いた声です(個人が特定されない形で掲載しています)。感じ方には個人差があります。

上の声のように、「行く前は嫌がるけど、帰りは楽しそう」なら、まだ火は消えていません。行き渋りの多くは「めんどくさい」の壁が出発前にあるだけで、始まれば楽しめている状態です。

03やってはいけない声かけ・つい出る一言

やる気が沈んでいる時期に、親がつい言ってしまいがちな言葉があります。どれも「発破をかけるつもり」の言葉ですが、沈んでいる子には逆に働きます。

消えかけの火に水をかける言葉

・「やる気ないなら、やめなさい」(脅しに聞こえ、本音を言えなくなる)
・「月謝払ってるんだから、ちゃんとやって」(罪悪感で縛る)
・「〇〇くんは自主練してるって」(比較は自信をさらに削る)
・「前はあんなに好きだったのに」(過去と比べられるのも比較です)

とくに危ないのが「やめなさい」です。親としては「発奮してほしい」の裏返しですよね。でも子どもには「弱音を吐いたら、サッカーを取り上げられる」と届きます。すると子どもは、しんどくても「大丈夫」と言うようになり、本当に限界が来るまで親に相談しなくなります。

言葉に迷ったら、こう考えてみてください。「やる気を出させる言葉」はいらない。「やる気が戻ってくるまで、安心して沈んでいられる場所」をつくる言葉が正解です。「そういう時期もあるよ」「今週はゆっくりでいいんじゃない」——それで十分です。

04火を消さない親の関わり方

では、待つだけでいいのか。実は、親にできる「火を消さない工夫」がいくつかあります。原因別に、現場で効果を感じているものを挙げます。

疲れが原因なら:堂々と休ませる。 「1回休んだらクセになる」と心配になりますが、逆です。疲れたまま行かせて「サッカー=しんどい」が積み重なるほうが、火は消えます。休む日は「サボり」ではなく「充電日」と呼んであげてください。

自信をなくしているなら:小さい「できた」を親が拾う。 結果やレギュラーの話はせず、「先週より遠くまで蹴れてたね」のように、過去のその子と比べた変化を一つだけ言葉にする。比べる相手をよその子から「先週の自分」に変えるだけで、子どもの表情は変わります。

飽きているなら:環境に一つだけ新しい風を入れる。 いつもと違う公園でボールを蹴る、プロの試合を一緒に観る、好きな選手のプレー動画を見る。現場でも、きっかけは意外と小さいものです。道具の力も侮れません。うちのチームでも、新しいスパイクに替えた週は、練習前の足取りが明らかに軽い子がいます(笑)。もしサイズが小さくなっているなら、買い替えはいいきっかけになります → スパイク選びのランキング

友だち関係なら:コーチに様子を共有する。 これは家庭だけで解決しにくい領域です。「練習方針への口出し」ではなく「最近こんな様子で」という共有なら、コーチはむしろ助かります。チーム内のことは、現場の大人に見守りの目を増やすのが近道です。

共通するコツ

どの原因でも、「サッカーの話をしない日」をつくるのが効きます。毎日サッカーの話をされると、子どもは「沈んでいる自分」を毎日突きつけられます。話題にしない日があるだけで、気持ちの逃げ場ができます。

05それでも動かないときのサイン

ここまでの関わりを続けても、様子が変わらないこともあります。目安にしてほしいのは期間です。

「行く前は嫌がるが、帰りは楽しそう」が続いているなら、波の中。あわてなくて大丈夫です。一方で、「行っても帰っても元気がない」「サッカーの話題を完全に避ける」が数週間以上続くなら、一時的な波ではなく、もっと根の深い理由(本気の「辞めたい」や、チーム内のトラブル)があるかもしれません。

その場合は、やる気を出させる話ではなく、「辞めたい気持ち」に正面から向き合うフェーズです。受け止め方はこちらに詳しくまとめています → 「サッカー辞めたい」と言われたときの受け止め方

また、振り返ってみて「自分の声かけが原因かも」と感じた方は、責めなくて大丈夫です。ほとんどの親が同じ道を通ります → 少年サッカーで親がやってはいけないこと7つ

よくある質問

Q

自主練をまったくしません。させたほうがいいですか?

A

無理にさせる必要はありません。低学年〜U10年代の自主練は「させられてやる」と効果が薄く、サッカー嫌いの原因になることもあります。親ができるのは、ボールを触りたくなる環境(庭にボールを置いておく、一緒に5分遊ぶ)を用意することまで。「やりなさい」より「お父さんと5分だけやろう」のほうが、結果的にボールに触る時間は増えます。

Q

練習を休ませたら、クセになりませんか?

A

疲れが原因の場合、休ませたほうが早く戻ってくることが多いです。疲れたまま通わせて「サッカー=しんどい」の記憶が積み重なるほうが、長期的にはやる気を削ります。ポイントは休みを「サボり」ではなく「充電」として扱うこと。「今週は充電して、来週から行こうか」と期限をつけると、ずるずる休みが続くのも防げます。

Q

「やる気ないならやめなさい」と言ってしまいました。手遅れですか?

A

大丈夫です。一度言ってしまっても、あとから「あれは言いすぎた。やめてほしいわけじゃないよ」と訂正すれば、子どもにはちゃんと届きます。むしろ親が謝る姿は「弱音を言っても大丈夫なんだ」という安心につながります。気づいた時点でやり直せます。

Q

試合は楽しそうなのに、練習だけ嫌がります。

A

マンネリ(飽き)のサインであることが多いパターンです。火は消えていないので、あわてなくて大丈夫。いつもと違う公園で蹴る、プロの試合を観る、道具を新しくするなど、小さな新しい風がきっかけになります。練習自体への不満(つまらない・怖いコーチがいる等)が疑われる場合は、子どもに「練習のどの時間が一番長く感じる?」と聞くと、原因が見えてきます。

Q

やる気の波は、どのくらいで戻りますか?

A

個人差が大きいので断定はできませんが、現場の感覚では数週間〜1、2か月で自然に戻る子が多い印象です(あくまで一例です)。大事なのは期間より「帰ってきた後の様子」。行く前は嫌がっても帰りが楽しそうなら回復途中です。行っても帰っても元気がない状態が数週間以上続く場合は、波ではなく別の理由を疑って、ゆっくり話を聞いてあげてください。

最後に、今夜できる一手を一つだけ。今夜は、サッカーの話を一切しないでください。 その代わり、寝る前に「今日、なんか楽しいことあった?」とだけ聞く。サッカー以外の話で笑えたら、それで大成功です。やる気の火は、安心した心の上でしか燃えません。

そして、これだけは覚えて帰ってください。あなたのお子さんのやる気は、消えたのではなく、沈んでいるだけ。そして「うちの子、やる気がないかも」とここまで読んで心配できるあなたは、間違いなく子どもの火を守れる親です。焦らず、波が上がってくるのを、隣で待ってあげてください。

この記事の監修
監修現役 U10・8人制サッカーコーチ

サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる

少年サッカーの育成年代を指導して3年目、これまで延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断力・認知・立ち位置・パススピード・切り替え、GKからのビルドアップを軸に、「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。毎月、練習設計と自己内省をレポートにまとめてPDCAを回す、分析型の指導者です。

現場でサッカー未経験の保護者の声を大切にしてきました。専門用語をゼロに噛み砕き、「親が今日からできること」に翻訳してお届けします。

当サイトの用品・ルール・練習の記事は、公開前に監修コーチが内容を確認しています。事実に関わる記述は一次情報・公式情報にあたって整理しています。

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