ゴール前の大きな四角——ペナルティエリア。この線の内側と外側で、同じようなプレーでも判定がまったく違ってきます。「なぜあそこだけPKになったの」「キーパーは今の場面でどこまで手を使えたの」。観戦中にわいてくるこの疑問に、ペナルティエリアの役割を知っていれば自分で答えられるようになります。
ペナルティエリアは、キーパーが手を使える範囲であり、反則が起きたときの罰則が重くなる範囲でもあります。ポイントは2つ。①手を使えるのはキーパーだけ、しかも条件つき ②同じ反則でも、エリアの中で起きればPKという重い判定に変わる。この2つを押さえておくだけで、ゴール前の攻防が驚くほどわかりやすくなります。
01ペナルティエリアとは何か・なぜ特別なのか
ペナルティエリアは、ゴールの手前に引かれた大きな四角形のラインです。ゴールポストを起点に、コートの奥行き方向へ一定の距離をとって描かれています。このエリアが特別な理由は2つあります。①キーパーが手を使ってボールを扱えるのは、原則としてこのエリアの中だけ ②このエリアの中で守備側が反則を犯すと、通常より重いPK(ペナルティキック)という判定になるということです。エリアの外と中で、同じようなプレーでもルール上の扱いがまったく変わってくる、と考えておくとわかりやすいです。
02キーパーが手を使えるのはこのエリアだけ
キーパーであっても、ペナルティエリアの外に出た時点で、他の選手と同じ扱いになります。エリアの外でボールを手で扱うと、手を使った反則(ハンド)として扱われます。飛び出したキーパーが慌てて足でクリアするのは、このルールがあるからです。手を使える範囲・使えない場面の細かい条件はキーパーのハンドになるのはどこからにまとめていますので、お子さんがキーパーをする家庭はぜひ読んでみてください。
03バックパスは手で取れない
もうひとつ、エリアの中でも例外があります。味方選手が足で意図的に戻したボール(バックパス)は、エリアの中であってもキーパーは手で扱えません。足でトラップするか、クリアする必要があります。ヘディングやスローインで戻したボールは対象外なので、ここが混同されやすいポイントです。
04エリア内の反則はPKにつながる
守備側の選手が、ペナルティエリアの中で相手を倒す、押す、あるいは手でボールに触れるといった反則を犯すと、フリーキックではなくPKで再開されます。エリアの外で同じ反則が起きた場合は、通常のフリーキックにとどまります。「なぜここだけ点数につながりそうな判定になるのか」の答えは、このエリアの特別な扱いにあります。PKそのものの流れはPKのルールで解説しています。
05エリア内のハンドは特に厳しく見られる
手や腕にボールが当たる、いわゆるハンドの反則も、ペナルティエリアの中で起きると重みが変わります。故意かどうか、体との位置関係はどうだったかなど、審判は複数の要素を見て判断しています。ハンドの判定基準そのものは奥が深いテーマなので、ハンドの反則の基本で個別に取り上げています。
06エリアの中と外、判定はここまで変わる
まとめると、ペナルティエリアという1本の線を境に、①キーパーが手を使えるかどうか ②反則の重さがPKにまで発展するかどうかが変わります。この2つさえ頭に入っていれば、ゴール前で起きる判定のほとんどに、自分なりの理由づけができるようになります。次に会場でゴール前の攻防を見るときは、まずボールとエリアの線の位置関係に目をやってみてください。判定の理由が、今までより早く見えてくるはずです。
「サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる」
育成年代の指導3年目、延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断・認知・立ち位置を軸に「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。
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