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子どもが読むサッカーの本|技術書より「読み物」が効く学年別の選び方|現役U10コーチ監修

PITCH NAVI 編集部|2026.07.20 更新|読了 約9

監修現役 U10・8人制サッカーコーチ指導3年目・延べ50名を指導

書店のスポーツコーナーで、背表紙をなぞりながら考え込む——。「うちの子、サッカーは好きだけど本は読まない。技術の本を買えば少しは上手くなるのかな」。せっかく買ったのに、リビングの棚で開かれないまま数か月、という経験をした親は多いはずです。実は、小学生に効くサッカーの本は技術書ではありません。この記事を読み終えるころには、学年別にどんな本を選べばいいか・ルールの本を1冊持つ価値・読書がプレーにどうつながるかまで、はっきり見通せるようになります。

\ 時間がない人へ・先に結論 /

小学生には、技術書より「読み物」を選べば、まず外しません。物語・写真・図鑑のように子どもが自分でページをめくりたくなる本が正解です。技術の解説書は、子ども自身が「知りたい」と言い出してから。まずは入口として、絵と勢いのある作品が強いです → サッカー漫画の選び方はこちら

この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。監修コーチのチームでは、以前ミーティング用に技術の解説本を1冊置いてみたことがあります。結果は、2か月でページを開いた子が2人だけ。ところが、代わりに主人公が下手くそから始まる物語の本を置いたら、休憩のたびに順番待ちができました。しかも面白いのは、その本を読んだ子が翌週の練習で「あの子みたいに声出す役やりたい」と言い出したこと。子どもを動かすのは、正しい情報ではなく「なりたい姿」なんです。本選びは、まずそこから逆算します。

01結論:小学生には技術書より「読み物」が効く

まず結論から。小学生に買うサッカーの本は、「読み物」を選んでください。物語、選手や指導者のエピソード、写真がたくさんの本。つまり子どもが自分からページをめくる本です。

理由は単純で、読まれない本は、どれだけ内容が良くても0点だから。大人はつい「いい情報が載っている本」を選びますが、子どもは情報では動きません。動くのは、心が揺れたときだけ。「悔しい」「かっこいい」「自分もやってみたい」——この感情が起きた本だけが、翌日のグラウンドに出てきます。

\ ここだけ押さえればOK /

① まずは読み物(物語・写真・エピソード)から入る
② 技術書は子どもが「知りたい」と言ってから
③ 家に置くのは1冊ずつ。積むと読まなくなる

この3つで、本代を無駄にしません。

もうひとつ大事なのが、親が「読みなさい」と言わないこと。リビングの見える場所に置いておくだけでいいんです。監修コーチのチームでも、親が勧めた本より、たまたま目に入って手に取った本のほうが最後まで読まれています。

02なぜ技術書は読まれないのか

「ドリブルのコツ」「シュートの蹴り方」——大人から見れば、これほど役に立ちそうな本はありません。なのに、小学生の家では高い確率で棚に眠ります。

理由は3つあります。ひとつめ、文字が多い。連続写真とキャプションが並ぶ本は、大人には親切でも、子どもには「勉強っぽい」に分類されてしまいます。ふたつめ、読んでもすぐできない。本のとおりに足を振っても、その日はうまくいかない。すると「やっぱり無理だ」で終わってしまう。みっつめ、今の自分の課題と本の内容がズレている。まだトラップで止まらない子が「シュートの精度」の章を読んでも、実感がゼロなんです。

⚠ NG:うまくなってほしいから技術書を買う

親の善意がいちばん空回りするパターンです。技術書を渡された子は、「今のままじゃダメだと言われた」と受け取ることがあります。本が課題の指摘書になってしまうと、サッカーそのものが重くなる。技術書を買うなら、子どもが「あの蹴り方どうやるの?」と自分から聞いてきた日にしてください。そのタイミングなら、同じ本が別物のように読まれます。

裏を返せば、技術書がハマるタイミングは確実にあります。高学年で、自分の課題がはっきり言葉になってきた子。この段階の子には、写真の多い技術書は本当によく効きます。順番の問題なんです。

03学年別の選び方|低学年・中学年・高学年

ここが本記事の核心です。学年で「読める本」はガラッと変わります。実在のタイトルではなく、選び方の軸で覚えてください。本屋でそのまま使えます。

低学年(1〜2年生)=絵と写真が中心の本。文字は少なめ、見開きに1つの情報。ページをめくるだけで楽しい本が正解です。試合の写真集、キャラクターが出てくる薄い本、迷路やクイズが混じった本でも構いません。この時期は「サッカーの本=楽しい」という記憶をつくるのが仕事。内容の濃さは要りません。

中学年(3〜4年生)=物語。主人公がうまくいかず、悩んで、少し変わる。この形の本が中学年にはいちばん刺さります。理由は、ちょうどこの学年で「自分はチームで何番目か」を意識し始めるから。主人公の悔しさが、自分の悔しさと重なるんです。監修コーチのチームでも、ベンチ時間が増えた3年生が、物語の主人公の話を持ち出してきたことがありました。

高学年(5〜6年生)=考え方の本。技術の手順ではなく、「なぜそうするのか」を扱った本です。判断の話、チームで役割を持つ話、練習の意味の話。この学年になると、うまい子ほど「もっと知りたい」に飢えています。指導者や選手が自分の考え方を語る本は、この時期の子の頭にすっと入ります。

学年別・本屋での見分け方

低学年:見開きを開いて、文字より絵・写真が多いか
中学年主人公が失敗するシーンが最初のほうにあるか
高学年:目次に「なぜ」「考える」「判断」の言葉があるか

この3点だけ見れば、店頭で1分で判断できます。

04ルールの本は1冊あると親が助かる

読み物とは別に、ルールの本は家に1冊あると本当に助かります。しかもこれ、助かるのは子どもより親のほうです

サッカー未経験の親にとって、試合中の笛はほぼ暗号です。オフサイド、間接フリーキック、ハンドの基準。「今なんで止まったの?」と隣の保護者に聞くのも、毎回は気がひける。ルールの本が1冊あれば、家で確認できます。週末に見た場面を、その夜に調べられる——これが効きます。子どもと一緒に開けば、そのまま親子の会話になる。

⚠ 子どもにルールを覚えさせようとしない

ルールの本を子どもに渡して「読んで覚えなさい」は逆効果です。ルールは、試合で疑問が出たときに調べると一発で入ります。順番は必ず「体験 → 疑問 → 本」。図やイラストが多く、索引から引ける本を選ぶと、その場でパッと調べられて便利です。ページを最初から読ませる必要はまったくありません。

選ぶ軸は3つ。イラストや図が多いこと小学生の8人制に触れていること(大人の11人制だけの本だとコートも人数も違って混乱します)、最近の版であること。ルールは細かく改正されるので、古い本だと今と違う説明が載っていることがあります。基本の整理はサッカーのルール入門もあわせてどうぞ。

05図鑑・写真集がじわじわ効く理由

意外と侮れないのが、図鑑や写真集です。文字が読めない低学年でも成立するし、実は高学年にも効きます。

写真集の何がいいかというと、体の使い方が絵として頭に残ること。トップの選手が蹴る瞬間の、軸足の位置、腕の開き、上体の傾き。言葉で説明されると難しいことが、写真だと一瞬で伝わります。監修コーチのチームで、写真の1枚を見せて「この人の腕、どうなってる?」と聞いたら、次の練習で数人が本当に腕を使い始めました。子どもは、見た形を真似るのが圧倒的に得意なんです

図鑑タイプ(世界の国やリーグ、道具、歴史などを見開きで紹介する本)は、サッカーの世界の広さを教えてくれます。「海外の強豪リーグにはこんな選手がいる」「昔のボールは今と全然ちがう」。こういう知識は上達に直結しませんが、サッカーを長く好きでいる土台になります。少年サッカーで一番こわいのは、下手になることではなく、飽きること。世界が広いと知っている子は、簡単にはやめません。

映像で学びたい派の家庭はYouTubeでの学び方と組み合わせると、本と動画のいいとこ取りができます。

06読書とサッカーの意外な関係|言葉が増えると伝えられる

ここは、あまり語られないけれど現場で強く実感している話です。本をよく読む子は、ピッチで「聞ける」「伝えられる」

理由はシンプルで、コーチの言葉が通じるかどうかは、その子の持っている言葉の数で決まるから。「もう少し幅を取って」「今のは早く出しすぎ」——同じ言葉を言っても、通じる子と、うなずくだけで何も変わらない子がいます。差は理解力ではなく、語彙です。言葉のストックがある子は、コーチの短い一言を自分の中で映像に変換できる。

伝える側も同じです。監修コーチのチームでは、試合後に「今日どうだった?」と聞くようにしていますが、返ってくる答えの質がまるで違います。「ふつう」で終わる子と、「前半は相手が来るのが早くて、ボール持ったらすぐ取られた」と説明できる子。後者は、自分のプレーを言葉にできる分、修正も速い。読書がそのまま上達につながるとまでは言いませんが、言葉が増えると学びの速度が上がるのは、毎年見ている実感です(もちろん個人差はあります)。

アシックス DSライト JR GS TF
はじめての1足に
約5,000円前後コーチ評価 4.6
土のグラウンドでも滑りにくいトレシュー
低学年の足に無理がない柔らかさ
練習から試合まで1足で回せる
※ 価格・在庫は変動します。最新は各公式サイトをご確認ください。

△ここだけ注意:芝の強いグラウンドがメインのチームだと、スパイクのほうが噛みます。所属チームの練習場所を先に確認してください。上位モデルは1万円を超えますが、これは約半額。読み物で気持ちが乗った子ほど、翌日の練習で走りたがるので、足元が合っていないと台無しになります。

07現場の声+買う前のチェック

最後に、監修コーチのチームで実際に聞こえてくる、保護者のリアルな声を紹介します。

💬 現場で聞いた保護者の声

技術の本を買ったけど一度も開かず。物語の本に変えたら1週間で読み切ってびっくりした

3年生のお子さんの保護者

ルールの本を買ったのは正解でした。私が助かってます。試合の帰りの車で子どもと確認してる

2年生のお子さんの保護者

写真集を見た次の日、蹴り方の腕の形を真似してた。言葉より効くんだと思った

中学年のお子さんの保護者

高学年になってから急に考え方の本を欲しがった。今までは全然だったのに

5年生のお子さんの保護者
※ 監修コーチが少年サッカーの現場で実際に聞いた声です(個人が特定されない形で掲載しています)。感じ方には個人差があります。

こうして並べると、効いた本には共通点があります。親が渡したのではなく、子が手に取った本だということ。買う前のチェックも、そこだけ見ればOKです。

\ 買う前のチェック /

ネットで買うなら、試し読みページを必ず親が確認。文字量と絵の割合が学年に合っているかを見ます。可能なら書店で子どもに現物を触らせるのが確実です。1分めくって顔が上がらなければ当たり。逆に、すぐ棚に戻すなら、その本は家でも読まれません。まとめ買いはしないこと。1冊読み切ってから次を買うほうが、結局は読む冊数が増えます。

よくある質問

Q

小学生に技術書を買うのは無駄ですか?

A

無駄ではなく、順番の問題です。低学年・中学年では読まれにくく、棚で眠りがち。子ども自身が『あの蹴り方どうやるの』と聞いてきたときや、高学年で自分の課題を言葉にできるようになったタイミングで渡すと、同じ本がしっかり読まれます。写真や連続写真の多い本を選ぶと入りやすいです。

Q

本をまったく読まない子には何から始めればいいですか?

A

絵と写真が中心の本から入ってください。文字を読ませようとせず、見て楽しい本でOKです。サッカーの写真集や、見開きで完結する図鑑タイプが向いています。まずは『サッカーの本は楽しい』という記憶をつくるのが目的で、内容の濃さは後回しで問題ありません。

Q

ルールの本は子ども用と大人用どちらがいいですか?

A

イラストや図が多く、小学生の8人制に触れている本がおすすめです。大人の11人制だけの本だと、コートの大きさも人数も違うため混乱します。また改正が入るので、できるだけ新しい版を選んでください。読むのは主に親で構いません。試合で疑問が出たときに調べる使い方が一番効きます。

Q

読書はサッカーの上達に本当につながりますか?

A

直接うまくなるわけではありませんが、言葉の数が増えるとコーチの指示が理解しやすくなり、自分のプレーを説明できるようになります。説明できる子は修正が速いというのは現場の実感です。ただし個人差はあるので、読書を強制するのは逆効果になります。

Q

何冊くらい家に置くのがいいですか?

A

1冊ずつが基本です。何冊も積むと、子どもは選ぶ前に面倒になって全部読まなくなります。1冊読み切ってから次を買うほうが、結果的に読む冊数は増えます。ルールの本だけは別枠で、常に1冊置いておくと親が助かります。

本で火がついた子は、必ずグラウンドで試したがります。そのとき足元が合っていないと、せっかくのやる気がもったいない。学年・足型からピッタリの一足を選びたい方は、比較ページをどうぞ → 比較ランキングで学年・足型からピッタリのシューズを選ぶ 映像から学ぶ方法はYouTubeでの学び方にまとめています。

この記事の監修
監修現役 U10・8人制サッカーコーチ

サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる

少年サッカーの育成年代を指導して3年目、これまで延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断力・認知・立ち位置・パススピード・切り替え、GKからのビルドアップを軸に、「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。毎月、練習設計と自己内省をレポートにまとめてPDCAを回す、分析型の指導者です。

現場でサッカー未経験の保護者の声を大切にしてきました。専門用語をゼロに噛み砕き、「親が今日からできること」に翻訳してお届けします。

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