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少年サッカーの試合動画の撮り方|スマホで上手に撮るコツと親子での見返し方

PITCH NAVI 編集部|2026.07.17 更新|読了 約8

監修現役 U10・8人制サッカーコーチ指導3年目・延べ50名を指導

試合が始まると同時にスマホを構えて、わが子を追いかけて90分。腕はパンパン、画面はガタガタ、肝心のゴールシーンは日差しで白飛び——。家で見返そうとしたら、ズームしすぎてどこの誰だか分からない映像が延々と続き、子どもも3分で飽きて席を立つ。「なんのために撮ってるんだろう」と思ったこと、ありませんか。実は、少年サッカーの試合撮影には「上達につながる撮り方」の型があります。しかも必要なのは高い機材ではなく、構え方と位置取りの知識だけ。この記事では、コーチが分析にも使える「価値ある1本」の撮り方をお伝えします。

\ 時間がない人へ・先に結論 /

上達につながる撮影のコツは3つ。①ハーフウェーライン付近の少し高い位置から ②ズームせず「引き」で、ピッチの半分〜全体が入る画角で ③ボールではなくコート全体を撮る。ボール周りだけを追った映像には、わが子の一番大事なプレー(ボールがないときの動き)が映りません。機材はスマホ+できれば三脚で十分。見返すときは「責める会」にしないことが最重要です。

この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。保護者の撮った動画をチームの振り返りに使わせてもらうことがあるのですが、正直、使える動画と使えない動画の差がはっきりあります。ズームでボールだけを追った動画は、プレーの前後が切れていて分析に使えません。逆に、引きで撮られた1本の動画から、ある子が「ボールが来る前に3回も首を振って周りを見ていた」ことが分かり、本人に見せたら目を輝かせていた——ということもありました。映像の価値は画質ではなく、「何が映っているか」で決まります

01機材はスマホで十分な理由

まず機材の話から。結論、いま持っているスマホで十分です。最近のスマホカメラは、少年サッカーの振り返り用途には過剰なくらいの性能があります。ビデオカメラや高級カメラを買い足す必要はありません。

ただし、あると劇的に変わるものが1つだけあります。三脚(またはスマホスタンド)です。手持ちの90分は思った以上の重労働で、後半は必ず画面が揺れます。三脚に固定すれば、映像が安定するだけでなく、親自身が肉眼で試合を楽しめるようになります。撮影に追われて、目の前のわが子の一番いいプレーを生で見逃す——これが撮影親の一番切ない事故です。

    • 必須:スマホ(横向きで撮る。縦向きはピッチが入りません)
    • 強くおすすめ:三脚・スマホホルダー(数千円のもので十分)
    • あると安心:モバイルバッテリー(動画撮影は電池を激しく消耗します)、容量の空き確認(試合前に不要な動画を消しておく)

02位置取り|どこから撮るかで8割決まる

機材より大事なのが位置取りです。おすすめは「ハーフウェーライン(コートの真ん中の線)の延長線上、少し高さのある位置」。真ん中から撮ると、両方のゴール方向がバランスよく入り、攻守どちらの場面も追えます。

高さも重要です。土手や観客席の段差など、少し見下ろせる場所があれば最優先で確保してください。目線の高さだと選手が重なって奥の動きが見えませんが、少し高いだけで選手同士の位置関係——つまり戦術的な情報が一気に見えるようになります。

⚠ ゴール裏からの撮影は「記念用」

わが子がシュートを決める瞬間を正面から狙えるゴール裏は、記念映像としては最高です。ただ、ピッチ全体の位置関係が分からないため、振り返り・上達用途には不向き。目的で使い分けましょう。なお、会場の観戦エリアのルールが最優先です。撮影のためにベンチ近くやライン際に立ち入るのはマナー違反になります。

03撮り方の最重要ルール「引きで撮る」

そして、この記事でこれだけ覚えて帰ってほしいのが「引きで撮る」です。つまり、ズームを使わず、ピッチの半分〜全体が入る画角のまま固定すること。

親心としては、わが子をアップで撮りたくなります。でも、ズームでボール周りだけを追った映像には、致命的な欠点があります。プレーの「前」と「後」が映らないんです。

サッカーの上達で一番大事な情報は、実はボールが来る前にあります。パスを受ける前にどこに立っていたか、周りを見ていたか、味方のためにどう動き直したか。1人の選手がボールに触るのは試合のうちわずか数分で、残りの時間の動きにこそ、その子の成長ポイントが詰まっています。ズームした瞬間、その情報はすべて画面の外に消えます。

\ 引きで撮ると、こんなことが分かる /

・パスを受けるに、いい場所へ動けていたか
・ボールを失った、すぐ切り替えて追いかけたか
・味方がボールを持ったとき、立ち止まっていないか
・チーム全体のどこが空いていて、どこが詰まっていたか

全部、ズーム映像には映らない情報です。迷ったら引き。これが鉄則です。

04オフザボールが映る動画は宝物

「ボールを持っていないときの動き」のことを、サッカーではオフザボールと呼びます。難しい言葉に聞こえますが、要は「ボールがないところで何をしているか」。引きで撮った動画の本当の価値は、ここが映っていることです。

コーチの立場から言うと、オフザボールが映った保護者の動画は本当に貴重です。ベンチからは試合を止めて見返すことができません。「あの子、映像で見ると毎回いいポジションを取り直してるな」という発見が、そのまま次の練習メニューや声かけにつながることもあります。

そして何より、子ども本人への効果が大きい。ゴールやドリブルは本人も覚えていますが、「ボールが来る前のいい動き」は、本人も気づいていないことがほとんど。映像で「ここで動き直したから、このあとパスをもらえたんだよ」と見せてもらえた子は、記録に残らない自分のプレーに価値があると知ります。これは、点を取った映像を見せるより、ずっと深い自信になります。プロの試合を見るときも同じ視点が使えます(→ Jリーグ・代表戦を子どもと見る)。

05親子での見返し方|責めない振り返り

最後に、いちばん大事な話。せっかく撮った動画も、見返し方を間違えると逆効果になります。

やりがちなのが、失敗シーンで一時停止して「ほら、ここでパスすればよかったでしょ」と始まる反省会。これをやると、子どもにとって動画は「ダメ出しの証拠映像」になり、そのうち見ること自体を嫌がるようになります。

⚠ NGな見返し方

・失敗シーンで止めて「なんで?」と問い詰める
・「〇〇くんはできてるのに」と画面内の他の子と比べる
・親が解説者になって、延々としゃべり続ける

動画はミスの証拠集めの道具ではありません。「いい場面を一緒に見つける道具」です。

おすすめの見返し方は、次の3つだけ守ればOKです。

    • ①いいプレーから見る:最初に見るのは、ゴールでも好プレーでも「ボールが来る前のいい動き」でも。まず「見るのが楽しい時間」にします。
    • ②質問で進める:「このときどこ見てた?」「次はどうしたい?」と、答えを言わずに聞く。気づきは、教えられるより自分で見つけたほうが残ります。
    • ③短く終わる:低学年なら5分、高学年でも10分あれば十分。全部見せようとせず、いい場面を2〜3個見て「今日も面白かったね」で終わるのがコツです。
💬 現場で聞いた保護者の声

三脚を買ったら世界が変わった。撮影しながら、初めて肉眼で息子の試合をちゃんと見られた

3年生のお子さんの保護者

引きで撮るようにしたら、コーチに『この動画、チームの振り返りに使わせてください』と言われた

5年生のお子さんの保護者

ボールが来る前の動きを一緒に見たら、本人が『俺、ちゃんと動いてたんだ』と自信を持てたみたい

4年生のお子さんの保護者

昔は失敗シーンばかり見せてた。いいプレーから見る方式にしたら、子どもから『動画見よう』と言うように

2年生のお子さんの保護者
※ 監修コーチが少年サッカーの現場で実際に聞いた声です(個人が特定されない形で掲載しています)。感じ方には個人差があります。

06よくある質問

Q

スマホの容量がすぐいっぱいになります。対策は?

A

試合前に不要な動画を消して空きを作っておくのが基本です。撮影後はクラウドストレージやパソコンにこまめに移しましょう。また、全試合をフルで残す必要はありません。見返しに使うのは実質2〜3場面なので、見返したあとは『残す場面だけ切り出して、あとは消す』運用にすると容量も整理もラクになります。

Q

画質はどのくらいの設定で撮ればいいですか?

A

スマホの標準設定で十分です。画質を上げるより、横向きで撮る・手ブレを抑える(三脚を使う)・逆光を避けるほうが、見やすさへの効果は大きいです。太陽を背にする位置取りを意識するだけで、白飛びはかなり防げます。

Q

他の子も映り込みます。SNSに載せてもいい?

A

注意が必要です。他の子が特定できる形での公開は、トラブルの元になります。チームによっては撮影・公開のルールを定めているので、まず確認を。SNSに載せる場合は、わが子だけの場面を切り出す、他の子の顔が分からない形にするなど、慎重すぎるくらいでちょうどいいです。撮影自体も会場のルールに従ってください。

Q

子どもが動画を見たがりません。無理に見せるべき?

A

無理強いは逆効果です。見たがらない子の多くは、過去に『ダメ出しの時間』を経験しています。まず、いいプレーだけを30秒見せて『この動き、良かったね』で終わる回を何度か作ってください。動画=楽しい時間と分かれば、自分から見たがるようになります。それでも嫌がるなら、しばらく撮るだけにして寝かせておきましょう。

Q

毎試合撮るべきですか?撮影で親が疲れてしまいます。

A

毎試合でなくて大丈夫です。三脚に固定して『撮りっぱなし』にすれば負担はほぼゼロになりますし、月に1〜2試合の映像でも、成長の振り返りには十分です。撮影が目的になって親が試合を楽しめないのは本末転倒。生で見て思いきり応援する日があっていいんです。

撮った映像の「見る目」を育てるには、プロの試合を親子で見るのも効果的です → Jリーグ・代表戦を子どもと見る楽しみ方。三脚や日よけなど観戦当日の装備は 観戦の持ち物リスト にまとめています。

映像を見返すと、足元の踏ん張りがプレーを支えていることにも気づくはず。学年・足型に合った一足選びはこちら → スパイク選びのランキング

この記事の監修
監修現役 U10・8人制サッカーコーチ

サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる

少年サッカーの育成年代を指導して3年目、これまで延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断力・認知・立ち位置・パススピード・切り替え、GKからのビルドアップを軸に、「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。毎月、練習設計と自己内省をレポートにまとめてPDCAを回す、分析型の指導者です。

現場でサッカー未経験の保護者の声を大切にしてきました。専門用語をゼロに噛み砕き、「親が今日からできること」に翻訳してお届けします。

当サイトの用品・ルール・練習の記事は、公開前に監修コーチが内容を確認しています。事実に関わる記述は一次情報・公式情報にあたって整理しています。

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