日曜の夜、お風呂上がりの足を見て「うわっ」と声が出る。かかとに大きなマメ。親指の爪が黒っぽい。小指の横が赤くむけている——。「痛いって言わなかったのに」。子どもは、練習が続いているうちは我慢します。そして、痛みをかばった歩き方が別のトラブルを呼ぶ。マメも靴ずれも爪のトラブルも、実はほとんどが「サイズ」と「靴下」と「爪の切り方」の3つで起きています。この記事を読み終えるころには、原因の見分け方・その場でできる手当て・二度と繰り返さないための見直し方が分かります。
マメと靴ずれの原因は、ほぼ「靴の中で足が動いていること」。大きすぎる靴・ゆるいヒモ・薄すぎる靴下・汗で滑る足のどれかです。爪は四角く、白い部分を1mmほど残して切るのが正解(深爪も伸ばしすぎもNG)。痛みが数日続く・化膿している・爪が黒く変色して痛むときは、皮膚科や整形外科へ。靴下の選び方は → サッカーソックスの選び方
この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。毎年、練習中に足を気にする子を見て気づくのは、足のトラブルは「痛い」と言い出す3週間くらい前から始まっているということ。最初は本人も気づかない。少し歩き方が変わる。踏み込みが弱くなる。そのうち、いつもは行くはずの競り合いに行かなくなる。脱がせてみると、かかとが真っ赤——というパターンです。「急にプレーが消極的になった」ときは、まず足を見てください。ちなみに、この手のトラブルの多くは0.5cmサイズが合っていないだけで起きます。それくらい、足元は繊細です。
01結論:足のトラブルは「サイズ・靴下・爪」で9割
先に言い切ります。少年サッカーの足のトラブルは、①靴のサイズ ②靴下 ③爪の切り方——この3つを整えるだけで、大半が起きなくなります。
なぜなら、マメも靴ずれも「同じ場所がこすれ続ける」ことで起きるから。こすれるのは、靴の中で足が動いているからです。そして足が動く原因は、サイズが大きすぎるか、ヒモがゆるいか、靴下が薄くて滑るか。爪のトラブルも同じで、靴の中で指が前に滑って、爪が靴の先にぶつかるのが原因です。
① 靴はつま先0.5〜1cmの余裕で、かかとを合わせてヒモをしっかり締める
② 靴下はサッカー用の厚めのものを、サイズの合ったもので
③ 爪は四角く、白い部分を1mm残す。角は落としすぎない
この3つで、マメと靴ずれの多くは予防できます。
02マメができる本当の原因
マメができる場所で、原因がある程度わかります。
- かかと…靴が大きい/ヒモがゆるい。歩くたびにかかとが浮いてこすれている
- 親指の付け根・小指の横…幅が合っていない。狭すぎるか、逆に広すぎて中で滑っている
- 足の裏(土踏まずの前あたり)…中敷きがへたっている/汗で滑っている
- 指の先…靴が小さい、または下り坂やストップ動作で指が前に押しつけられている
意外に見落とされるのが靴下です。学校用の薄い白ソックスでサッカーをすると、生地が薄いぶんクッションが効かず、汗を吸って滑る。サッカー用ソックスは、こすれる部分が厚く編まれているものが多く、これだけでマメの数が変わります。監修コーチのチームでも、ソックスを替えただけで「マメができなくなった」子が何人もいました。
低学年でいちばん多いのがこれです。ヒモを結んだまま脱ぎ履きしている子は、足が入る=ゆるい状態。それでは靴の中で足が前後に動き続けます。毎回ヒモを解いて、履いてから、かかとをトントンと合わせて締め直す。この30秒でマメの多くは防げます。結び方のコツはスパイクのヒモの結び方にまとめました。マジックテープの靴も、毎回しっかり締め直してください。
サイズと幅が合っていない靴を我慢して履くのがいちばんよくありません。幅広・甲高の子には、最初からゆとりのある木型を。
△ここだけ注意:マジックテープはヒモより締め具合の微調整がしにくいので、細かくフィットを合わせたい高学年はヒモタイプを。上位モデルは1万円超ですが、これは約半額。痛みで練習を休むより、合う靴に替えるほうがずっと安いです。
03爪の切り方|深爪も伸ばしすぎもダメ
地味ですが、サッカーをする子にとって爪の切り方は道具選びと同じくらい大事です。
伸ばしすぎだと、ストップやターンのときに爪が靴の先にぶつかります。これが続くと爪の下に血がたまって黒くなる(いわゆる内出血)。深爪だと、指先の皮膚が爪より前に出てしまい、爪が伸びるときに皮膚に食い込みます。どちらも痛い。
正解は「スクエアオフ」——四角く切って、角をほんの少しだけやすりで丸める形です。
- 白い部分を1mmほど残して、まっすぐ横に切る
- 角は切り落とさない。とがりが気になる部分だけ、やすりで軽く整える
- 切るのはお風呂上がり(爪がやわらかく割れにくい)
- 頻度は2週間に1回を目安に。試合の前日ではなく2〜3日前に切る
爪の角を深く丸く切ると、伸びてきた爪が横の皮膚に刺さりやすくなります。これが繰り返されると、指の横が腫れて痛むようになる。とくに親指で起きやすいトラブルです。角は残す——これだけ覚えてください。すでに指の横が赤く腫れている・押すと強く痛む・膿が出ている場合は、自己流で切らずに皮膚科を受診してください(症状には個人差があります)。
04靴ずれの応急処置と、悪化させない手当て
できてしまったときの手当ても書いておきます。基本は「清潔・保護・こすらない」の3つです。
赤くなっているだけ(マメになる前)——ここが手当てのベストタイミング。こすれている場所に絆創膏やテーピングを貼って保護します。この段階で止めれば、翌週には元通りです。
水ぶくれになった——むやみに潰さないのが基本です。中の液体は皮膚を守るクッションになっていて、皮が破れると細菌が入りやすくなります。清潔にして、上から絆創膏で保護。破れてしまった場合は、洗って清潔にしてから保護してください。
皮がむけた・出血している・膿んでいる——ここは家庭で粘らないでください。化膿している、痛みが強い、腫れが広がっているときは皮膚科へ。無理に練習を続けると悪化します。
① 絆創膏(防水タイプ・大きめも)
② テーピングテープ(こすれ防止に貼れる)
③ 清浄綿かウェットティッシュ(汚れた足を拭く)
グラウンドは土だらけです。手当ての前にまず拭く——これだけで化膿のリスクが下がります。テーピングの基本はテーピングの基本にも。
05汗と蒸れ|においとふやけ対策
夏場に一気に増えるのが、汗による足のトラブルです。足の裏がふやけると、皮膚が弱くなってマメができやすくなる。さらに、湿ったままの靴は菌が繁殖してにおいの原因にもなります。
対策は3つ。まず靴下の替えを持たせること。練習の途中や試合の合間に履き替えるだけで、ふやけがかなり減ります。次に靴を2足で回すこと。1足を毎日使うと乾ききりません(2足目のスパイクは必要?)。そして帰ったら中敷きを出して乾かす。靴の中に丸めた新聞紙を入れておくのも定番の方法です。
においが強くなってきたら、それは中で菌が増えているサイン。放置すると皮膚のトラブルにもつながります。詳しい対策はサッカー道具のにおい対策にまとめました。足の指の間が白くふやける・皮がむける・かゆみが続く場合は、自己判断せず皮膚科で相談してください。
06指が当たって痛い|サイズの見直し方
「つま先が当たる」と子どもが言い出したら、迷わずサイズを測り直してください。低学年でおよそ半年に0.5cm、成長期には3か月で伸びることもあります。
測り方はシンプル。紙の上に立たせて、かかとの後ろとつま先の先に線を引き、その長さを測るだけ。必ず両足測ってください。左右で5mm違う子は珍しくありません。大きいほうの足に合わせるのが原則です。詳しい手順は足のサイズの正しい測り方にあります。
そのうえで、靴を選ぶときはつま先0.5〜1cmの余裕。それ以上は「まだ履けない靴」です。ぴったりすぎると爪が当たり、大きすぎると中で滑ってマメになる。この0.5cmの幅を守ることが、足のトラブル対策のほぼ全てと言っていいくらいです。
足が痛いと言う子に「みんな我慢してる」は禁物です。子どもは、我慢できるうちは言いません。口に出た時点で、そこそこ痛い。まず靴を脱がせて、実際に見る。赤み・マメ・爪の変色を確認する。それだけで原因が分かることがほとんどです。痛みが数日続く、腫れがある、歩き方が変わっている場合は整形外科へ(症状には個人差があります)。
中敷きがへたっているだけなら交換で改善しますが、靴そのものが合っていないなら、履き替えが最短です。
△ここだけ注意:足幅がかなり広い子・甲が高い子にはきつく感じることがあります。その場合は幅広モデルを。中敷きだけへたっている場合はインソールの選び方も参考にしてください。
07現場の声+買う前の安心チェック
監修コーチのチームで実際に聞こえてくる保護者の声です。
「ソックスを学校用からサッカー用に替えただけで、マメができなくなりました。厚みが違うんですね」
「親指の爪が黒くなっていて驚きました。測ったらサイズがもう合ってなかった」
「毎回ヒモを解いて結び直させるようにしたら、かかとのマメがぴたっと止まりました」
「深爪で指の横が腫れて、皮膚科に行きました。角は残すって初めて知りました」
どれも特別なケアではなく、基本の3つ(サイズ・靴下・爪)の話です。ここを整えるだけで、足のトラブルはぐっと減ります。
足に合う靴を探すなら、サイズ交換が無料のショップを選ぶこと。届いたら必ず室内で、実際に試合で履く厚めの靴下を履いて試着してください(薄い靴下で合わせると本番でゆるくなります)。かかとを合わせてつま先に0.5〜1cmの余裕があるか、立って足踏みしてかかとが浮かないか、小指が当たらないかを確認。正規販売店なら初期不良も対応してもらえます。
汗で蒸れる時期に交互で履く2足目があると、ふやけによるマメがぐっと減ります。
△ここだけ注意:公式戦でスパイク指定がある場合は、これだけでは足りません。練習用・2足目としての位置づけで考えてください。
よくある質問
サッカーでマメができるのはなぜですか?
靴の中で足が動いて、同じ場所がこすれ続けるからです。原因は主に、靴のサイズが大きすぎる、ヒモがゆるい、靴下が薄くて滑る、汗でふやけている、中敷きがへたっている——のいずれか。かかとにできるならサイズかヒモ、指の横なら幅、足裏なら中敷きや汗が疑わしいです。まずサイズと靴下、ヒモの締め方を見直してください。
サッカーをする子の爪はどう切ればいいですか?
四角く切って角を残す『スクエアオフ』が基本です。白い部分を1mmほど残してまっすぐ横に切り、とがりが気になる部分だけやすりで軽く整えます。角を深く丸く切り落とすと、伸びた爪が横の皮膚に食い込んで痛みの原因になります。切るのはお風呂上がり、試合の2〜3日前がおすすめです。
水ぶくれができたら潰していいですか?
むやみに潰さないのが基本です。中の液体は皮膚を守るクッションの役割があり、皮が破れると細菌が入りやすくなります。清潔にして絆創膏で保護してください。すでに破れている場合は洗って清潔にしてから保護を。化膿している、痛みが強い、腫れが広がっているときは皮膚科を受診してください(症状には個人差があります)。
つま先が当たって痛いと言われました。どうすれば?
まず足のサイズを測り直してください。低学年でおよそ半年に0.5cm、成長期には3か月で伸びることもあります。紙の上に立たせてかかととつま先に線を引き、両足を測って大きいほうに合わせます。靴はつま先に0.5〜1cmの余裕があるサイズを。爪が黒く変色して痛む場合は整形外科で相談してください。
足のにおいと蒸れを減らすには?
靴下の替えを持たせて途中で履き替えること、靴を2足で回して完全に乾かすこと、帰宅後に中敷きを出して乾かすことの3つが効果的です。丸めた新聞紙を入れておくのも定番。においが強いときは中で菌が増えているサインで、皮膚のトラブルにもつながります。指の間が白くふやける・皮がむける・かゆみが続く場合は皮膚科で相談してください。
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「サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる」
少年サッカーの育成年代を指導して3年目、これまで延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断力・認知・立ち位置・パススピード・切り替え、GKからのビルドアップを軸に、「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。毎月、練習設計と自己内省をレポートにまとめてPDCAを回す、分析型の指導者です。
現場でサッカー未経験の保護者の声を大切にしてきました。専門用語をゼロに噛み砕き、「親が今日からできること」に翻訳してお届けします。
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