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練習ではできるのに試合でできない理由3つ|家でできる「判断つき練習」への変え方

PITCH NAVI 編集部|2026.07.17 更新|読了 約8

監修現役 U10・8人制サッカーコーチ指導3年目・延べ50名を指導

リフティングは何十回もできる。ドリブル練習ではコーンをスイスイかわす。なのに、試合になると——ボールが来ない場所に立っている。来ても慌てて蹴ってしまう。「練習ではできるのに、どうして試合だとできないの?」と、もどかしく感じている親御さんはとても多いです。先に安心してください。これは少年サッカーで最も多い悩みのひとつで、原因も対策もはっきり分かっています。この記事で、理由と家でできるサポートを解説します。

\ 時間がない人へ・先に結論 /

練習と試合のいちばんの違いは「判断」があるかどうか。ドリル練習は「決まった動きをくり返す」だけですが、試合は「見る→決める→やる」の3段階で、難易度が一気に跳ね上がります。対策は、①家の練習に「選ぶ」要素を1つ足す ②試合では結果でなく「見えていたか」をほめる ③「なんで練習どおりできないの」という声かけを封印する、の3つです。
試合で踏ん張れる一足の選び方

この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。現場で毎年感じるのは、「ドリルの上手さ」と「試合の上手さ」は、別の力だということ。うちのチームにも、リフティングはチームで一番なのに試合では消えてしまう子がいました。その子に変化が出たのは、技術練習を増やしたときではなく、練習に「2択から選ぶ」場面を足したとき。3か月後には、試合中に顔を上げてパスかドリブルかを自分で選べるようになりました。足りなかったのは技術ではなく、「決める」練習の量だったんです。

01「練習でできる」と「試合でできる」は別物

まず前提の整理から。リフティングやコーンドリブルのような練習は、「相手がいない・答えが決まっている」状態です。ボールは自分のペースで扱えて、次にやることも決まっている。だから技術そのものに集中できます。

一方、試合は「相手がいて・答えが毎回変わる」状態。同じインサイドキック1つでも、「誰に・いつ・どの強さで」を自分で決めてから蹴ることになります。つまり試合のプレーは、

    • 見る(まわりの状況を集める)
    • 決める(選択肢から選ぶ)
    • やる(技術を出す)

の3段階セット。ドリル練習で鍛えているのは、このうち最後の「やる」だけです。「見る」「決める」の練習をしていなければ、試合でできないのは当然——むしろ健全な成長段階だと考えてください。

02理由①:判断が入ると難易度が跳ね上がる

想像してみてください。大人でも、「決まった文章を音読する」のと「質問に即興で答える」のではまったく難しさが違いますよね。子どものサッカーで起きているのは、これと同じことです。

ドリルでは100回できる技術も、「相手が来ている・味方が動いている・時間がない」という条件がつくと、頭の処理が追いつかず、体が固まったり慌てて蹴ったりします。これは技術が下手になったのではなく、頭の使う量が数倍になっているだけ。判断の練習を積めば、技術は試合でも出せるようになります。

03理由②:緊張と「失敗が怖い」

2つ目の理由は心です。試合には、練習にないものがあります——観客(親)、勝ち負け、そして「ミスしたら迷惑をかける」というプレッシャーです。

特に真面目な子ほど、「ミスしないこと」が目標になり、ボールに関わらない場所へ無意識に逃げます。試合で消える子の一定数は、技術でも判断でもなく、「失敗したときに何を言われるか」への不安で動けなくなっています。ここは後半の「声かけ」で詳しく扱いますが、親の一言が最大の薬にも毒にもなる部分です。

04理由③:まわりが見えていない

3つ目は「見る」の量。試合でいいプレーをする子は、ボールが来る前に首を振ってまわりを見ています。ボールが来てから見るのでは、もう遅いんです。

低学年〜中学年の子は、ボールを見ることに精一杯で、まわりを見る余裕がまだありません。これは自然なことですが、「見る」は才能ではなく習慣なので、家の練習でも意識的に育てられます。

05家でできる「判断つき練習」への変換

ここが本題です。今やっている家練習に、「選ぶ」要素を1つ足すだけで、ドリルが「試合につながる練習」に変わります。特別な道具は不要、親がサッカー未経験でもできます。

05色コール・トラップ

05DRILL

親がボールを転がしながら「右!」「左!」と声をかけ、子は言われた方向へトラップして運ぶ。慣れたら、親が手を挙げた方向へ(声なしで目で見て判断)に進化させる。

目安:10球×2セット
ポイント:ポイントは『ボールが来る前に親を見る』こと。声から手の合図に変えると、自然と顔が上がります。トラップの上手さより『見て、選べたか』をほめて。

062ゴール・ドリブル

06DRILL

子の前に2つのゴール(コーンや靴で作る)を用意。親が守り役で立ち、親が寄っていないほうのゴールへドリブルして通過する。親は毎回どちらかに寄って立つ。

目安:10本×2セット
ポイント:『相手を見て、空いているほうを選ぶ』という試合の基本判断そのもの。親は最初、大げさにどちらかへ寄って『選びやすく』してあげると成功体験が積めます。

07後出しパス

07DRILL

親子で数歩はなれてパス交換。ただし子がトラップした瞬間に、親が「1」か「2」と指を出す。子は指の数を声で言ってからパスを返す。『ボールを扱いながらまわりを見る』練習になる。

目安:10球×2セット
ポイント:足元を見ずに指が読めたら大成功。慣れたら『奇数なら右足・偶数なら左足で返す』などのルールを足すと、見る→決める→やるの3段階がフルで鍛えられます。

どのドリルも共通のねらいは、「ボールを扱いながら、頭を使う」こと。ドリルの見た目の上手さは一度落ちますが、それが正常です。試合で使える技術に組み変わっている途中だと考えてください。

06親のNG声かけ・OK声かけ

最後に、理由②の「心」への処方箋です。まずNGから。

⚠ 試合後のこのNGが、子どもを固まらせる

「なんで練習でできることが試合でできないの?」——本人がいちばん分かっていて、いちばん傷つく言葉です。次の試合では「ミスしないこと」だけを考えるようになります。
「もっと積極的に行け!」——「どうすれば積極的になれるか」が分からないから困っているのに、抽象的な檄は不安を増やすだけです。
車の中での反省会——帰りの車で試合のダメ出しをするのは、多くの子が「一番イヤな時間」に挙げる定番NGです。

OKの声かけは、シンプルにこの3つです。

    • 「今日、まわり見えてた場面あった?」:結果ではなく「見る」を話題の中心にする。子ども自身が「見る」を意識するきっかけになります。
    • 「あのパスの判断、良かったね」:成功したプレーではなく、選んだこと(判断)を具体的にほめる。ミスになった挑戦も「選べたこと」はほめてOK。
    • 「今日の試合、楽しかった?」:試合=評価される場、から、試合=楽しい場へ。心のブレーキを外す一番の土台です。
💬 現場で聞いた保護者の声

リフティングは得意なのに試合で消える理由がやっと分かった。『決める練習』という発想がなかった

4年生のお子さんの保護者

帰りの車の反省会をやめて『楽しかった?』だけにしたら、少しずつ自分から試合の話をするようになった

3年生のお子さんの保護者

2ゴールドリブルを庭でやっています。親が動くだけで練習が試合っぽくなるのが面白い

2年生のお子さんの保護者

『判断良かったね』とほめるようにしたら、失敗を怖がらず仕掛ける回数が増えた気がします

5年生のお子さんの保護者
※ 監修コーチが少年サッカーの現場で実際に聞いた声です(個人が特定されない形で掲載しています)。感じ方には個人差があります。

07よくある質問

Q

どのくらいで試合でも出せるようになりますか?

A

個人差はありますが、判断つき練習を週2〜3回続けて、数か月単位で考えてください。先に変化が出るのは『首を振る回数』や『慌てる場面の減少』などの小さな部分です。試合の目立つ活躍を待つのではなく、その小さな変化を見つけてほめることが、結果的に一番の近道になります。

Q

技術練習(リフティングなど)はやめるべきですか?

A

やめる必要はありません。技術は判断を実行するための土台で、多いに越したことはないです。おすすめは配分の見直しで、家練習の時間の一部を『選ぶ要素つき』のメニューに置き換えること。リフティングも『親が言った足でタッチする』などに変えれば判断練習になります。

Q

緊張で固まるタイプです。判断の練習で直りますか?

A

判断練習は『何をすればいいか分からない不安』を減らすので、緊張の軽減にも効きます。ただし緊張が強い子は、心のケアが先です。試合結果への評価をやめて『楽しかったか』を軸にし、ミスへの反省会を封印してください。緊張対策は当サイトの試合で緊張する子の記事でも詳しく解説しています。

Q

コーチに『試合で消える』と言われました。親は何をすれば?

A

家でできるのは、この記事の判断つき練習と声かけの2つで十分です。逆にやってはいけないのは、焦って技術練習を倍増させること。原因が『見る・決める』にある場合、技術を増やしても試合は変わりません。まず1つ、色コール・トラップから始めてみてください。

Q

本人が自信をなくしています。どう励ませば?

A

『練習でできてるんだから大丈夫』という励ましは、実はプレッシャーになることがあります。おすすめは『試合とドリルは別の力。今は試合の力を育てている途中』と、できない理由を才能ではなく段階の言葉で伝えること。そのうえで、小さな進歩を具体的に言葉にしてあげてください。

試合で力を出すテーマをもっと深く知りたい方は、判断力そのものの育て方を 試合で判断できる子の育て方 で、緊張で固まる子への対応を 試合で緊張する子のサポート で解説しています。

また、試合特有の「急ストップ・切り返し」で足元がすべると、それだけで自信を失う子もいます。学年と足型に合った一足は → スパイクの選び方ランキング で確認できます。

この記事の監修
監修現役 U10・8人制サッカーコーチ

サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる

少年サッカーの育成年代を指導して3年目、これまで延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断力・認知・立ち位置・パススピード・切り替え、GKからのビルドアップを軸に、「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。毎月、練習設計と自己内省をレポートにまとめてPDCAを回す、分析型の指導者です。

現場でサッカー未経験の保護者の声を大切にしてきました。専門用語をゼロに噛み砕き、「親が今日からできること」に翻訳してお届けします。

当サイトの用品・ルール・練習の記事は、公開前に監修コーチが内容を確認しています。事実に関わる記述は一次情報・公式情報にあたって整理しています。

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