「うちの子、なんだか走り方がぎこちない気がする」——他の子と並んで走らせたときに、そう感じたことはありませんか。運動神経や才能の問題と思われがちですが、実はフォームのクセは、正しい動きを知って繰り返すことで変わっていきます。この記事では、走り方がぎこちなく見える原因をチェックポイントに分けて整理し、家や公園でできる改善ドリルを紹介します。センスの有無ではなく、順番に見直せば変わっていくものだと知っておくだけでも安心材料になります。
ぎこちない走り方の多くは、①腕の振り②着地と姿勢③膝の引き上げのどこかにクセがあることが原因です。いきなり「もっと速く」を求めず、まずはゆっくりのスピードで正しいフォームを体に覚えさせるところから始めるのがコツ。特別な道具は必要なく、公園や自宅の廊下で毎日5分続けるだけでも変化は出てきます。
01「走り方がぎこちない」の正体
走り方がぎこちなく見えるとき、多くの場合は「体力が足りない」のではなく「動きのパターンが体に入っていない」だけです。小学生年代は、走る・跳ぶ・投げるといった基本動作がまだ発展途上で、大人が見て「変だな」と感じる動きも、成長の過程では珍しくありません。特に低学年は個人差が大きく、同じ学年でもフォームの完成度にはかなり幅があります。ここで焦って「もっと速く走れ」と結果だけを求めると、本人はフォームを直す余裕がないまま、ただがむしゃらに手足を動かすことになってしまいます。まずはスピードを求めず、ゆっくりの速さで正しい動きのパターンを体に入れるところから始めるのが近道です。低学年のうちにフォームの土台を整えておくと、高学年で体格が変わってきたときにも崩れにくく、結果的にスピードも伸びやすくなります。
02チェックポイント①腕の振り
最初に見てほしいのが腕の振りです。走るときに腕が横に大きく振れていたり、逆にほとんど動いていなかったりすると、下半身の動きとバランスが取れず、スピードのロスにつながります。理想は肘を軽く曲げ、前後にまっすぐ振る動き。「肘でポケットを触るくらいの意識で、前後に振ってみて」と伝えると、子どもにもイメージしやすいです。腕の振りが整うと、自然と足の運びのリズムも整ってくることが多く、フォーム改善の中でも取り組みやすいポイントです。鏡の前や動画を撮って一緒に確認すると、本人も自分の動きを客観的に把握しやすくなります。
03チェックポイント②着地と姿勢
次に見たいのが着地の位置と上半身の姿勢です。かかとから強く着地していたり、上半身が反り気味・前かがみになっていたりすると、ブレーキがかかるような走り方になり、スピードに乗りにくくなります。理想は足の裏全体か、やや前寄りで着地し、上半身はまっすぐか、わずかに前傾させる姿勢です。「体を1本の棒みたいにまっすぐ保ったまま走ってみて」というイメージづけが分かりやすいです。姿勢が整うと、着地の衝撃も分散され、ケガの予防にもつながります。
①腕は肘を軽く曲げて前後に振る ②着地は足の裏全体〜やや前寄り、上半身はまっすぐ〜わずかに前傾 ③膝はしっかり引き上げる。この3つを一つずつ、ゆっくりの速さで確認していくのがコツです。
04チェックポイント③膝の引き上げ
3つ目は膝の引き上げです。膝が十分に上がらないまま走ると、歩幅が狭くなり、地面をしっかり蹴る力も伝わりにくくなります。太ももが水平に近いところまで上がるのが理想ですが、低学年のうちから完璧を求める必要はありません。「もも上げ」の動きをその場でゆっくり繰り返す練習が、感覚をつかむのに向いています。膝を引き上げる動きは、走る動作だけでなく方向転換やダッシュの初速にも関わってくるので、フォーム全体の土台として意識しておきたいポイントです。走る速さ全体の伸ばし方はサッカーで足が速くなる練習で詳しく解説しています。
05家でできる改善ドリル
家や公園でできる改善ドリルとして、「その場もも上げ」「腕振りだけの練習」「スキップ」の3つがおすすめです。その場もも上げは10秒×3セット、腕振りだけの練習は座った状態や立った状態で30秒、スキップは大きく高く跳ぶことを意識して10メートル程度。どれも道具がいらず、狭いスペースでもできるのが利点です。ポイントは、毎日やることより、正しい動きで少しずつ続けること。フォームがまだ整っていない段階で長い距離を走らせると、クセが固定化されてしまうことがあるので、短い距離・短い時間から始めるのがコツです。慣れてきたら距離やスピードを少しずつ上げていけば、無理なくレベルアップできます。運動神経全体を育てる遊びの要素を取り入れたい場合は、サッカーの運動神経を良くする遊びも参考にしてください。
06焦らず続けるための考え方
フォームの改善は、1回や2回の練習で劇的に変わるものではありません。数週間、場合によっては数ヶ月かけて、少しずつ動きのクセが変わっていくのが自然な流れです。「前より腕が振れるようになった」「もも上げの高さが出てきた」など、小さな変化に気づいて言葉にしてあげることが、本人の意欲を支えます。走り方は、サッカーのプレー全体の土台になる動きです。焦らず、遊びの延長として楽しみながら取り組める環境を作ってあげてください。練習メニュー全体をどう組み立てるか迷ったときは、おうち練習の始め方 完全ガイドも参考にしてみてください。
「サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる」
育成年代の指導3年目、延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断・認知・立ち位置を軸に「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。
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