夜、寝かしつけを終えてからスマホでフリマアプリを開く。「ジュニア スパイク 21cm」——ずらりと並ぶ、半額以下の出品。「これ、買っても大丈夫なのかな」。サッカーの道具は本当にお金がかかるから、中古で済むなら助かる。でも、人が使ったものを子どもに履かせていいのか、判断がつかない。この記事を読み終えるころには、中古で買っていいもの・絶対にやめたほうがいいものの線引きがはっきりして、売るときのコツとトラブルの避け方まで分かります。安全と衛生のところだけは、はっきり書きます。
中古で買っていいのはボール・バッグ・ウェア・防寒着。やめたほうがいいのはスパイク(他人の足型がついていてケガの原因)とすね当て・インナー類(衛生面)。売るときは、名前が表に出ない工夫をしておくと高く売れます。写真は必ずソールと内側まで確認。予算全体の話は → 予算別・スパイクの選び方
この記事は、少年サッカーの現場に立つ現役のU10・8人制コーチが監修しています。中古の是非をハッキリ書くのは、実際に困っている子を何人も見てきたからです。譲ってもらったスパイクを履いてきた子が、練習中ずっと足を気にしている。脱がせてみると、かかとの内側が擦り切れていて、中で足が動いていました。本人は「大丈夫」と言うんです。子どもは我慢しますから。一方で、ボールやバッグを中古でそろえた家庭で困った例は、ほとんど記憶にありません。同じ「中古」でも、道具によってリスクがまったく違う。ボール1個の新品が3,000円台、中古なら1,000円台。年間で見れば数万円の差になるので、使い分けの価値は大きいです。
01結論:買っていいもの・やめたほうがいいもの
まず線引きから。判断基準はシンプルで、「足に直接かかわるもの」と「肌に直接触れるもの」は中古を避ける。それ以外は積極的に使ってOKです。
- ◎ 中古で買っていい…サッカーボール、バッグ・リュック、練習着・ウェア、ジャージ・防寒着、レインウェア、水筒(未使用に近いもの)、マーカーコーンなどの練習用品
- △ 状態次第…トレーニングシューズ(ほぼ未使用・サイズアウトのみのもの限定)、ソックス(新品未使用のみ)
- × 中古はやめたほうがいい…スパイク、すね当て(シンガード)、インナーウェア、マウスガード、GKグローブ(使用済み)
理由は「もったいない」ではなく、ケガと衛生です。ここだけは、節約より優先してください。
① 足に体重がかかるもの(スパイク)は中古NG
② 肌に直接あたるもの(すね当て・インナー)は中古NG
③ それ以外(ボール・バッグ・ウェア)は中古で十分
この3行だけ覚えておけば、判断に迷いません。
02スパイクの中古がおすすめできない理由
いちばん需要があって、いちばんおすすめできないのがスパイクです。理由をきちんと書きます。
① 前の持ち主の足型がついている。靴は履いているうちに、その子の足の形に沿って中敷きが沈み、アッパーが曲がるクセがつきます。他人の足型に合わせて変形した靴に、別の子の足を入れる——これが、痛みや違和感の原因になります。同じサイズ表記でも履き心地がまるで違うのはこのためです。
② かかとの支えが壊れていることがある。ヒールカウンター(かかとを包む硬い芯)は、外から見ても壊れているか分かりません。ここがへたっていると、中で足が前後に動いてマメや靴ずれの原因になります。
③ ソールの寿命が読めない。写真ではソールの突起が減っているかどうか判断しづらい。届いてから「ツルツルだった」では、滑って転ぶリスクを買ったことになります。詳しくはスパイクの寿命と買い替えサインを。
出品文にこう書いてあっても、「数回」の定義は人それぞれです。土のグラウンドで数回本気で使えば、ソールは目に見えて減ります。判断できるのはソールの真上から撮った写真だけ。それが無ければ買わない、が安全です。どうしても中古を検討するなら、身近な人からの直接の譲り受け(状態を自分の目で確認できる)にとどめてください。判断のポイントはスパイクのお下がりはあり?にまとめています。
新品でも、ジュニアの定番なら6,000円台から買えます。足元だけは、ここにお金を使う価値があります。
△ここだけ注意:足幅がかなり広い子・甲が高い子にはきつく感じることがあります。その場合は幅広モデルを選んでください。大人の上位モデルは1万円超ですが、これはその半額ほど。ボールとバッグを中古でそろえれば、その差額で新品のスパイクが買えます。
03中古で買って正解なもの|ボール・バッグ・ウェア
逆に、中古がとても向いている道具もあります。ここは遠慮なく使いましょう。
ボール。少年サッカーの4号球は新品で3,000〜5,000円ほどしますが、中古なら1,000円台から出ています。ボールは空気を入れれば復活するのが強み。表面のスレは性能にほとんど影響しません。家練習用の1個目、または2個目のボールとして最適です(選び方はサッカーボールの選び方、空気の入れ方はボールの空気圧を参照)。
バッグ・リュック。汚れやすい道具なので、そもそも新品でもすぐ土まみれになります。ファスナーが壊れていなければ十分に使えます。サイズが体に合っているかだけ気をつけてください(サッカーバッグの選び方)。
ウェア・ジャージ・防寒着。成長で1シーズンしか着られない防寒着は、中古市場に美品がたくさん出ます。洗濯できるものは中古で問題ありません。ベンチコートなど高価なものほど、中古の恩恵が大きいです。
① ベンチコート・防寒着(新品が高額・1シーズンで着られなくなる)
② ボール(空気を入れれば復活・2個目に最適)
③ バッグ(どうせ汚れる)
④ ジャージ・練習着(洗濯できる)
この順に中古を使えば、浮いたお金を足元に回せます。
04買うときの確認|写真のどこを見るか
中古で買うと決めたら、確認するポイントは決まっています。写真と説明文で、この4つを見てください。
① サイズ表記だけを信じない。「21cm」と書いてあっても、メーカーによって実寸は変わります。可能なら中敷きの実寸を質問する。答えてくれない出品者からは買わない、でいいです。
② 靴類はソールの真上からの写真。突起の減り、剥がれ、汚れの入り込み具合が分かります。写真が無ければコメントで依頼を。
③ 内側の写真。かかとの内張りが擦り切れていないか、中敷きが沈んでいないか。ここは出品者も見落としがちな場所です。
④ 使用回数と保管状況。「屋外倉庫で保管」は劣化のリスク。ボールなら「空気が抜けた状態で長期保管」だと変形していることがあります。
値段が飛び抜けて安い出品は、たいてい状態が悪いか、説明を省いているかのどちらかです。写真が少ない・角度が少ない・質問に答えない——この3つがそろったら見送りましょう。中古は「安いこと」より「状態が分かること」が価値です。届いてから泣くより、次の出品を待つほうが早いです。
05売るときのコツ|名前が最大の壁
サイズアウトした道具は、売ればお金になります。次の一足の資金になるので、ぜひ。ただし、売るときにいちばんネックになるのが「名前」です。
バッグやウェアに油性ペンで大きく名前を書いてあると、それだけで買い手はぐっと減ります。逆に、名前が目立たない品は同じ状態でも高く売れる。だから、買った時点から「後で売る」前提の名前つけをしておくと得なんです。
- バッグは直接書かず、外せるネームタグで(売るときはタグを外すだけ)
- ウェアはタグ部分にアイロンネーム(表からは見えない)
- ボールは目立たない位置に小さく、またはシールで
- ソックスなど消耗品は気にせず記名でOK(そもそも売らない)
名前つけの詳しいやり方は名前つけの方法にまとめています。売るときは洗って・乾かして・明るい場所で撮る。これだけで印象が変わり、値段が数百円〜千円変わります。傷や汚れは隠さず正直に書くのが、結局いちばんトラブルが少ないです。
① 洗濯・乾燥してから出品(においは大きなマイナス評価に)
② 自然光の入る場所で、4〜6枚撮る(全体・内側・底・タグ・傷の部分)
③ サイズ実寸と使用期間を正直に書く(「約1年・週3回使用」など具体的に)
06トラブル回避|返品・サイズ違い・届かない
フリマアプリでのトラブルは、だいたいパターンが決まっています。先に知っておけば避けられます。
サイズが合わなかった——これが最多。フリマの個人間取引は原則として返品ができません。だからこそ、買う前の実寸確認が全てです。迷ったら買わない。
写真と状態が違った——届いてすぐに開封し、受取評価をする前に写真を撮って出品者に連絡を。評価を押してしまうと取引が完了扱いになり、対応が難しくなります。開封は届いた日のうちにが鉄則です。
届かない・連絡が取れない——アプリ内の取引メッセージ以外で連絡を取らない、支払いをアプリ外でしない。これを守るだけで、大半のトラブルは防げます。「直接振り込んでくれれば安くします」は絶対に応じないでください。
アプリの外での支払い・やり取りは、アプリの補償の対象外になります。値引き交渉も、取引の連絡も、すべてアプリ内で完結させてください。そして子どものアカウントで取引させないこと。金銭のやり取りが発生するので、必ず保護者の管理下で。
中古で浮いたぶんは、練習用のトレーニングシューズなど「新品でそろえたいもの」に回すのが賢い使い方です。
△ここだけ注意:公式戦でスパイク指定がある場合は、これだけでは足りません。練習用・2足目という位置づけで考えてください。
07現場の声+買う前の安心チェック
監修コーチのチームで実際に聞こえてくる保護者の声です。
「ベンチコートを中古で買いました。1シーズンで着られなくなるので、新品はもったいなくて」
「中古のスパイクを履かせたら、足が痛いと言い出して。結局買い直したので高くつきました」
「バッグに直接名前を書いてしまって、売るときに値段がつかなかった。次はタグにします」
「ボールは中古で十分。空気を入れたら普通に使えて、家練習用が増えました」
やはり「足元で失敗した」話と、「ボール・防寒着は中古で正解」の話に分かれます。この線引きさえ間違えなければ、中古は強い味方です。
スパイクだけは新品を、サイズ交換が無料のショップで。届いたら室内で、いつも使う靴下を履いて試着してください(外で履くと交換できません)。かかとを合わせてつま先に0.5〜1cmの余裕があるか、立って足踏みしてかかとが浮かないかを確認。正規販売店なら初期不良にも対応してもらえます。中古で浮いたぶんを、ここに使ってください。
はじめての一足や低学年の練習用なら、この定番も新品で手が届きます。
△ここだけ注意:ポイント(突起)のあるスパイクではないので、高学年の本格的な試合ではグリップ不足を感じることがあります。低学年〜中学年向けです。
よくある質問
中古のサッカースパイクを買っても大丈夫ですか?
おすすめできません。靴は履いているうちに前の持ち主の足の形に変形し、中敷きが沈み、かかとを支える芯がへたります。同じサイズ表記でも履き心地が変わり、足の痛みやマメ、靴ずれの原因になります。またソールの減り具合は写真では判断しづらく、届いてから滑るリスクもあります。足元だけは新品を選んでください。
中古で買っていい道具はどれですか?
ボール、バッグ・リュック、練習着やジャージ、ベンチコートなどの防寒着、レインウェアです。特に防寒着は新品が高額なうえ1シーズンで着られなくなるので、中古の恩恵が大きい道具。ボールも空気を入れれば十分使えるので、2個目・家練習用に向いています。
すね当て(シンガード)の中古はどうですか?
衛生面からおすすめしません。汗を吸う道具で、素材によっては洗いにくく、においや汚れが残ります。またサイズが合わないと、すねを守るという本来の役割を果たせません。すね当ては新品を、子どもの身長に合ったサイズで選んでください。
フリマアプリで買うとき、どこを確認すればいいですか?
4点です。①サイズ表記だけでなく実寸(中敷きの長さなど)を質問する②靴類はソールの真上から撮った写真を見る③内側の写真でかかとの擦れや中敷きの沈みを確認④使用回数と保管場所を聞く。写真が少なく質問に答えない出品者からは買わないのが安全です。
使わなくなった道具を高く売るコツは?
まず洗って乾かすこと。においは大きなマイナスになります。次に明るい自然光の下で4〜6枚(全体・内側・底・タグ・傷の部分)撮ること。そして名前が目立たないこと。バッグは直接書かず外せるネームタグ、ウェアはタグ部分にアイロンネームにしておくと、売るときに値段が下がりません。傷や汚れは正直に書くのがトラブル回避になります。
道具のメリハリがつけば、サッカーにかかるお金はぐっと抑えられます。そのうえで、足元だけはその子の足に合った一足を。学年・足型から選びたい方は比較ページをどうぞ → 比較ランキングで学年・足型からピッタリのシューズを選ぶ 基本はサッカースパイクの選び方にまとめています。
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少年サッカーの育成年代を指導して3年目、これまで延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断力・認知・立ち位置・パススピード・切り替え、GKからのビルドアップを軸に、「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。毎月、練習設計と自己内省をレポートにまとめてPDCAを回す、分析型の指導者です。
現場でサッカー未経験の保護者の声を大切にしてきました。専門用語をゼロに噛み砕き、「親が今日からできること」に翻訳してお届けします。
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