土曜の朝、公園に集まったのは5人。「試合しよう」とチームを分けると3対2になって、2人のほうがすぐ負けて「ずるい」。それならと1人抜けて2対2にすると、抜けた子はベンチの横で砂をいじっている——。5〜6人は「1人余る」人数に見えて、じつは人数の差そのものを練習にできる人数です。3対2、4対1、フリーマン(ボールを持っている側の味方になる子)を使えば、全員が動いたまま回せます。この記事では、5人・6人で組める練習6つと、5人の日と6人の日の組み替え方をまとめました。
5人なら「3対2」、6人なら「3対2+あとから守備が1人」から始めてください。攻める側が1人多い形は、パスを出すか自分で運ぶかの判断がいちばん入りやすい練習です。人数が奇数で余る子が出たら、その子はフリーマンに。どちらのチームにも入らず、ボールを持っている側の味方をします。キーパーがいなくても、ゴールはマーカーや靴で作れば試合形式まで組めます。4人の日は → 4人でできるサッカー練習6選、3人の日は → 3人でできるサッカー練習6選
この記事は、少年サッカー(8人制)の指導経験のある編集部が、指導で使ってきたメニューをもとにまとめています。5〜6人の練習でよく起きるのは、2チームに分けて同じ試合をずっとやること。上手い子が多いほうが勝ち続け、負けたほうの子が先に飽きます。人数が中途半端な日ほど、「試合をする」より「人数の差を使う」ほうがうまく回ります。
5〜6人で何ができるか|3人・4人との違い
3人なら2対1、4人なら2対2が組めます。5人になると、ここに3対2が加わります。攻める側が3人いると、ボールを持った子の左右に味方が1人ずつ立てるので、「右に出す」「左に出す」「自分で運ぶ」の3つから選べるようになります。2対1のときより選ぶ道が1本増えるぶん、守る2人も「どこを閉じるか」を考えないと止められません。
6人になると、3対3の同じ人数どうしのゲームができます。3人いれば三角形が作れるので、2対2よりもパスがつながりやすく、試合の形に一歩近づきます。
① 3対2=攻める側が1人多い形。パスか、運ぶかの判断が入る(5人から)
② 4対1・4対2の鳥かご=外が4人なので四角形が作れて、パスの行き先が増える
③ フリーマン=奇数でも全員が参加できる。余った子を出さない仕組み
④ 3対3=同じ人数どうしで三角形を作りあう(6人)
人数が増えるほど、1人がボールに触る回数は少しずつ減ります。だから5〜6人の日は、コートを狭くして、1本を短くするのがコツです。
5〜6人でできるメニュー6つ
用意するのはボール2個と、目印8〜12個です。ボール1個でもドリル01〜03と05はできますが、04の往復は2個ないと止まってしまいます。目印はマーカーがなければペットボトルや上着で構いません。
3対2のライン突破
15m×12mくらいのコートの両端のラインに、マーカー2枚で幅2mのゲートを2つずつ作る(ドリル03・04も同じコート)。攻める3人は片方のラインから、守る2人がいる側の2つのゲートのどちらかをドリブルで通り抜けたら1点。点が入る・ボールが外に出る・守備に取られる、のどれかで1回の攻撃は終わり、すぐスタートのラインから次の攻撃。これを1分続けて1セット。6人の日は、残った1人も攻める3人と同じラインに立ち、攻撃が始まって5秒たったら守備に加わる(3対3になる前に攻めきる)。
5〜6人練習の主役です。ゲートを2つにしているのは、守る側が片方だけを守れないようにするため。攻める側は「空いているゲートはどっちか」を見て、そちらへボールを動かします。6人の日の「5秒後に1人追いかけてくる」ルールは、思った以上に効きます。のんびりパスを回していると追いつかれるので、子どもたちの足が自然と前へ出ます。
このコートだけで、ゲート4つと四すみで目印が12個要ります。ドリル02の四角を作れば、さらに4つ。靴やペットボトルで代用すると、組み替えのたびに「それ誰の靴?」が始まって時間がかかります。平たいマーカーが10枚以上あると、ここが一気に早くなります。
△ここだけ注意:薄くて軽いので、風の強い日は飛ばされます。そんな日は、水を入れたペットボトルなど重みのある目印に替えてください。今日だけ試したいなら、ペットボトルや上着の代用でも練習は成立します。マーカーを使ったほかの組み方はマーカーコーンの家練習メニューにあります。
鳥かご(5人は4対1、6人は4対2)
外に4人が四角形に立ち、真ん中の鬼に取られないようにパスを回す。範囲は5人なら8m四方、6人なら10m四方で、6人の日は鬼が2人の4対2。パスをカットされたら、カットした鬼と、そのパスを出した子が入れかわる。2分たったら、取れていなくても先に決めた順番で次の子(4対2では次の2人)が鬼になる。
外が4人いると、ボールを持った子の左右とななめ前の3か所に味方がいます。3人の鳥かごより成功しやすいので、最初のメニューに向いています。6人の4対2は少し難しくなるぶん、鬼の2人に協力が生まれます。鬼のまま終わる子が出ないよう、交代は必ず時間で。
2対2+フリーマン
2対2。5人の日はフリーマンが1人(コートの中を自由に動く)、6人の日はフリーマンが2人(両サイドのライン上に立つ)。フリーマンはボールを持っている側の味方になり、2タッチまで。フリーマン自身はドリブル突破もシュートもしない。ドリル01のコートを使い、それぞれ相手側のラインにある2つのゲートのどちらかをドリブルで通ったら1点。
奇数の日に余る子を出さないためのメニューです。フリーマンを1本ごとに順番で回せば、全員が攻める・守る・つなぐの3つを経験します。2対2だけだと、上手い子が1人で持ち込んで終わりがちですが、フリーマンがいるとパスを1本入れたほうが早い場面が増えます。
3対2の往復(攻守の切り替え)
ドリル01のコート(両端にゲート2つずつ)で、両方のラインの外にボールを1個ずつ置く。3人が攻めて2人が守り、点・ボールアウト・奪われたのどれかで1回の攻撃が終わり。その瞬間に、守っていた2人が自分たちの後ろのラインにあるボールを拾い、反対側のゲートへ攻める。5人の日は、いま攻めていた3人のうち最後にボールに触った子が新しい攻撃に加わって3人になり、残りの2人が戻って守る。6人の日は、最初に1人が守る側のラインの外で待ち、守っていた2人と一緒に攻める。いま攻めていた3人のうち最後にボールに触った子が次の待ち役になり、新しく守る2人の後ろのラインの外へ。使い終わったボールは、6人の日は待ち役が、5人の日は見ている大人がラインの外に戻す(大人がいなければ、1回ごとに少し止めて戻す)。
試合で点が入ったり、ボールを取られたりした直後に止まってしまう子は多いものです。このメニューは終わりの瞬間がそのまま次の始まりになるので、切り替えの速さを遊びの中で練習できます。ルールが少しややこしいので、1本目は大人が「いま守った2人が攻める!」と声に出して回すと、2本目からは子どもだけで回り始めます。
ここで困るのがボールの数です。1個だと、ラインの外に出たボールを取りに行くあいだ全員が止まり、切り替えの練習になりません。5〜6人で練習するなら、ボールは2個あると止まらずに回せます。チームで使っているのと同じ4号球だと、パスの強さの感覚もそのまま持ち帰れます。
△ここだけ注意:4号球は小学生用です。中学生のきょうだいも一緒に蹴る日は、誰の練習を中心にするかで4号球か5号球かを決めてください。友だちの家にボールがあるなら、「1人1個持ってきて」で足りる日もあります。
3対3ミニゲーム(5人の日は2対2+共通キーパー)
20m×15mくらいの範囲の両端に、マーカーか靴で幅2mのゴールを置く。6人の日はキーパーなしの3対3。5人の日は2対2にして、両チーム共通のキーパーを1人置き、ゴールは片方だけにする。ボールを奪ったチームは、一度ゴールと反対側のラインまでボールを運んでから攻める。キーパーが捕ったときと点が入ったあとは、いま守っていたチームが反対側のラインから始める。キーパーは1本ごとに交代。
練習の後半に入れたい、いちばん盛り上がるメニューです。勝ち負けがはっきり出るので、チームは1本ごとにグーとパーで分け直しにします。毎回メンバーが入れかわれば、「あいつと同じチームは嫌だ」が言いにくくなります。
シュートゲーム(キーパーは持ち回り)
キーパーの順番を先に決め、1人目がゴールへ。残りはパスを出す列とシュートを打つ列に分かれる。ゴールの斜め前からパス、受けた子がワンタッチかツータッチでシュート。打った子はパスの列の後ろへ、パスを出した子はシュートの列の後ろへ。キーパーは3本受けたら次の順番の子と交代して、シュートの列に入る。全員が1回ずつキーパーをやったら1周。
最後はシュートで終わるメニューに。キーパー1人につき3本なので、1周は5人なら15本、6人なら18本です。キーパーで止めた数も点に数えておくと、帰り道に「次は勝つ」が聞こえてきます。
5人の日と6人の日の組み替え表
当日になって1人来られなくなった、急に1人増えた、はよくあることです。メニューごとに5人と6人の形を決めておけば、その場で迷いません。
表は横にスクロールできます。項目名を見ながら比較してください。
| メニュー | 5人の日 | 6人の日 |
|---|---|---|
| 01 3対2のライン突破 | 3対2 | 3対2+5秒後に守備が1人加わる |
| 02 鳥かご | 4対1(8m四方) | 4対2(10m四方) |
| 03 2対2+フリーマン | フリーマン1人(コートの中) | フリーマン2人(両サイドのライン上) |
| 04 3対2の往復 | 攻めていた3人のうち最後に触った子が次の攻撃にも加わる | 守る側のラインの外で1人待つ(最後に触った子が次の待ち役) |
| 05 ミニゲーム | 2対2+共通キーパー(ゴール1つ) | 3対3(ゴール2つ・キーパーなし) |
| 06 シュートゲーム | 1周=全員が1回ずつキーパー(15本) | 1周=全員が1回ずつキーパー(18本) |
奇数のときに迷ったら、余った1人はフリーマンかキーパーと覚えておけば、だいたいのメニューは回ります。どちらも「1本ごとに交代」をセットにしてください。同じ子がずっとフリーマンだと、その子だけ点を取れないまま終わります。
もめないための3つの決めごと
5〜6人になると、3人のときより「誰が何をやるか」でもめやすくなります。人数が多いぶん、自分だけ損をしている気がしやすいからです。始める前に、次の3つだけ決めておいてください。
① 守備・鬼・キーパーは「時間」か「本数」で交代/「取られたら交代」だけにすると、取れない子が守りのまま終わる
② フリーマンとキーパーは順番を先に決める/じゃんけんで1回決めて、あとはその順番で回す
③ チームは1本ごとに分け直す/グーとパーで分ければ、上手い子が同じチームに固まり続けない
3対2をやると、つい上手い子を攻める側に集めたくなります。でもそれをすると、守る2人はずっと負け続け、5分もすると蹴り方が雑になります。
OK/守る2人は2セットごとに必ず入れかえます。差が大きいときは、上手い子に「利き足だけ禁止」「ゲートはドリブルでなくパスで通す」などの条件をつけると、攻める側も守る側も真剣になります。
60分の時間配分
休憩を入れた60分の例です。人数が多いと待つ時間ができやすいので、1本を短くして、間に水を飲む時間をはさみます。寒い日や暑い日は、もっと短くて構いません。
- 0〜10分:鳥かご(5人は4対1、6人は4対2)
- 10〜22分:3対2のライン突破(1分×6本)
- 22〜32分:2対2+フリーマン
- 32〜40分:3対2の往復(3分×2本+ルールの説明と水分補給)
- 40〜52分:ミニゲーム(チームは毎回分け直し)
- 52〜60分:シュートゲーム(締め)
5〜6人の練習で意外と時間を食うのが、目印の置き直しです。休憩に入った子に「次はここに四角を作って」と頼んでおくと、水を飲み終わるころには次のコートができています。
よくある質問
5人でできるサッカー練習は、まず何をやればいいですか?
4対1の鳥かごで体を温めてから、3対2のライン突破に進んでください。攻める側が1人多い3対2は、パスを出すか自分で運ぶかの判断がいちばん入りやすい練習です。ゲートを2つ作っておくと、守る2人が片方だけを守れなくなり、攻める側が空いているほうを探すようになります。
6人ならチームを3対3に分けて試合をすればいいですか?
3対3は6人の日のいちばん楽しいメニューですが、それだけを続けるのはおすすめしません。体力が切れると蹴り合いになりやすいからです。前半は4対2の鳥かごや3対2で判断の練習をして、後半に3対3を入れてください。チームは1本ごとに分け直すと、勝ち負けが偏りません。
人数が奇数で1人余ります。どうすればいいですか?
余った子はフリーマンかキーパーにしてください。フリーマンはどちらのチームにも入らず、ボールを持っている側の味方になる役です。2タッチまで、自分ではシュートしない、などの決まりをつけると、ほかの子のパスの相手として働きます。どちらの役も1本ごとに順番で交代させてください。
5〜6人の練習で、ボールは何個あればいいですか?
2個あると止まらずに回せます。鳥かごや3対2は1個でもできますが、攻守を入れかえながら続ける往復のメニューでは、ボールがラインの外に出るたびに全員が止まってしまいます。使い終わったボールを戻す係(待ち役の子か、見ている大人)を決めておくと、さらに止まりません。チームで使っているのと同じ4号球だと、パスの強さの感覚もそのまま使えます。
4人の練習と5〜6人の練習は何が違いますか?
4人は同じ人数どうしの2対2が主役です。5人になると攻める側が1人多い3対2ができ、6人では3対3の同じ人数どうしのゲームもできます。外が4人の鳥かごも組めるので、パスの行き先が増えます。そのぶん1人がボールに触る回数は減るので、コートを狭くして1本を短くするのがコツです。
人数が少ない日は、4人でできるサッカー練習6選の2対2か、3人でできるサッカー練習6選の2対1が組めます。目印の置き方を変えて遊びたい日は、マーカーコーンの家練習メニューの宝あつめも5〜6人でそのまま使えます。
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育成年代の指導3年目、延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断・認知・立ち位置を軸に「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。
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