公園に集まったのは4人。「2対2やろう」と始めたものの、同じ組み合わせで5分、強いペアが勝ち続けて、負けたほうが「もうやめる」。あるいは、兄弟2人に親2人の家族4人で、何をすればいいか分からない——。4人は2対2が成立する最小の人数で、味方と相手が同じ人数でぶつかる形を練習できます。この記事では、4人で回せる練習6つと、ペアを固定しないローテーションをまとめました。
4人そろったら、まず「3対1の鳥かご」から始めて、体が温まったら「2対2」へ。鳥かごで止める・蹴る・顔を上げるを入れ、2対2で「味方を使うか、自分で行くか」の判断を入れます。ペアは2本ごとに組み替え(4人なら組み合わせは3通り)、勝ち負けが偏らないようにします。3人の日は → 3人でできるサッカー練習6選、親子2人の日は → 親子でできる自主練メニュー
この記事は、少年サッカー(8人制)の指導経験のある編集部が、指導で使ってきたメニューをもとにまとめています。4人練習でいちばん多い失敗は、ペアを固定して2対2だけを延々とやること。強いペアが勝ち続けると、負けが続いたペアには気持ちが切れてしまう子も出ます。4人には4人の良さがあり、それは「2対2ができる」だけではありません。
4人は何ができる人数か|3人・5人との違い
3人の練習は「2対1」が主役で、人数が多いほうがどう攻めるかを学べます。4人になると、初めて同数(2対2)が作れます。同数では「相手が来ていないほうに出す」だけでは足りず、味方が動いて相手を引き離すか、自分で仕掛けるかを選ぶことになります。これは試合中にいちばん多く出てくる判断です。
もう一つ、4人には3対1があります。3人のときの鳥かご(2対1)より外の人数が1人増えるので、パスの選択肢が2つになり、低学年でも成功しやすくなります。鬼役の子も、2人を相手にするより3人を相手にするほうが「取れなくて当然」と割り切れるので、気持ちが切れにくいです。
① 2対2=味方を使うか、自分で行くかの判断(3人では作れない)
② 3対1=選択肢が2つあるパス回し(成功しやすく、鬼役が折れない)
③ 2人ペアの入れ替え=組み合わせが3通りあり、勝ち負けが偏りにくい
5人なら3対2や4対1もできますが、同数のゲームを組むと1人余ります。4人は全員が参加したまま、同数の2対2を組める人数です。
4人だからできるメニュー6つ
用意するのはボール2個と、目印になるもの4〜8個です。ボールが1個しかない日は、パス&ゴーと1対1を1組ずつ交代で行います。コーンがなければペットボトルや上着でも成立します。コートの大きさは、慣れるまでは狭めに。広いと走るだけの練習になります。
3対1の鳥かご
外に3人、真ん中に鬼が1人。外の3人は三角形に立ち、鬼に取られないようにパスを回します。範囲は7〜8m四方。カットされたらミスした人が鬼と交代、ただし2分たったら誰であれ必ず交代。
ウォームアップ兼、顔を上げる習慣づくりです。3人の鳥かご(2対1)より成功しやすいので、最初のメニューとして気持ちよく始められます。鬼は時間で交代させてください。「取れたら交代」だけにすると、取れない子が鬼のまま終わります。
2対2(ライン突破)
12m×10mくらいの範囲で2対2。ゴールは置かず、相手側のライン(コーン2つの間、またはライン全体)をドリブルで越えたら1点。取られたら攻守がすぐ入れ替わる。
4人練習の主役です。ゴールを置かずにラインを越えたら1点にしているのは、シュートの上手さで勝負が決まらないようにするため。運ぶ・預ける・動き直すの判断そのものが点になります。1本1分と短いのは、同数は体力の消耗が激しいからです。
2対2+ミニゴール
コーンで作った幅2mほどのゴールを両端に置き、2対2。キーパーなし、ゴール前3mは入れないルール(手前からしか打てない)にすると、ゴール前に立ちっぱなしの子が出ません。
ドリル02で判断の形を作ってから、ゴールのある形へ。順番を逆にすると、最初から「蹴り込めば勝ち」のゲームになります。ゴール前3mに入れないルールは、低学年ほど効果が大きいです。
2人ペアのパス&ゴー(並走パス)
2人ペアが2組。各ペアが横に5mほど離れて並び、パスを出した人がすぐ前に走り、受けた人は走った味方の前へ出す。2組が同時にスタートして、往復の速さを競う。
同数のゲームの合い間に入れる、走る量の多いペア練習です。2組が競争する形にすると、ただのパス交換が一気に真剣になります。パスを出した後に止まる癖は、試合で「出して見ている」子に直結するので、ここで直しておくと効きます。
1対1の連続(2組同時)
4人を2組に分け、それぞれ8m×6mの範囲で1対1。片方のラインをドリブルで越えたら1点、取られたら攻守交代。30秒たったら相手を替える(4人なら全員と1回ずつ対戦できる)。
4人なら全員が全員と1回ずつ対戦できます。相手が替わるので「あの子には勝てない」で終わらず、相手によって抜き方を変える経験になります。2組同時に進めるので、待ち時間もありません。
2対2→4人シュートの流し(締め)
1人がサイドからボールを転がし、1人が中央で合わせてシュート、1人がキーパー、1人が守備役(最初は寄せるだけ)。シュート1回ごとに全員が役を1つずらし、4回で全員が4役を1回ずつ経験したら1周。
最後は必ずシュートで終わるメニューに。全員が同じ数だけ打てる形にしておくと「あいつばっかり」が起きません。守備役がいるので、3人のときの合わせ練習より一段だけ試合に近い形になります。
ペアを固定しないローテーション
4人練習がうまくいくかどうかは、メニューよりもペアの組み方で決まります。4人をA・B・C・Dとすると、2対2のペアの組み合わせはAB対CD・AC対BD・AD対BCの3通りだけ。3通りを1回ずつ回すと、全員がほかの3人それぞれと1回ずつ味方になり、2回ずつ相手になります。
① ペアは2本ごとに組み替える/3通りを順番に回す。勝ち負けが1組に偏らない
② 鬼・守備役は「時間」で強制交代/「取られたら交代」だけだと、取れない子が固定される
③ 始める前に、メニューと順番を全員で口に出す/もめる原因の多くは、決まっていないこと
「強いほうと弱いほうで分けたほうが公平」と思いがちですが、固定すると負けが続くペアが出て、やる気をなくす子もいます。勝ち続けるペアにも、判断や工夫が要る条件を加えたほうが練習になります。
OK/3通りを順番に回したうえで、差が大きいときは上手い子に制限をつけます。「利き足禁止」「2タッチまで」「守備は手を後ろに組む」。同じメニューのまま難しさだけ変えられるので、両方が真剣にやれます。
60分の時間配分
ここでは休憩を含めた60分の例を紹介します。同数のゲームは体力を使うので、長くやるより短く区切ったほうが質が保てます。年齢・体調・気温に合わせて短くし、疲れや集中の切れが見えたら休憩を入れてください。
- 0〜10分:3対1の鳥かご(ウォームアップ)
- 10〜25分:2対2ライン突破(1分×6本、ペアは2本ごとに組み替え)
- 25〜35分:パス&ゴー(2組で競争)
- 35〜50分:2対2+ミニゴール + 1対1の連続
- 50〜60分:4人シュートの流し(締め)
区切りを守るコツは、タイマーを子どもに持たせること。大人が「時間だよ」と言うと文句が出ますが、自分で鳴らした子は素直に交代します。2対2のコートやミニゴールを作るとき、目印が8個あると組み替えがすぐ終わります。
△ここだけ注意:薄いぶん、風の強い日は飛びやすいのが弱点です。目印だけならペットボトルや上着でも代用できるので、「まず今日試したい」なら代用品からで構いません。マーカーを使った家練習の組み方はマーカーコーンの家練習メニューにまとめています。
家族4人(親2人+子2人)でやるときのコツ
友だちが集まらなくても、親2人+子2人で全部のメニューが成立します。ただし家族4人のときは、ペアの組み方を一つだけ決めておいてください。2対2は「親+子」対「親+子」にします。子ども2人対大人2人では、子どもがまったく抜けないか、大人が手を抜くかのどちらかになり、どちらも練習になりません。
親が入るときは、最初に制限を宣言します。「歩いて守る」「手を後ろに組む」「利き足は使わない」。これで子どもが抜ける手応えが出ます。3対1の鳥かごなら、親が鬼役を長めに担当し、外の3人(親1人+子2人)でパスを回すと、子どもが気持ちよく回せます。
上の子が下の子に本気で当たる——これが最多です。体格差があるぶん、下の子が転んで泣いて終わる。
OK/2対2のペアは「上の子+親」対「下の子+親」にして、上の子には「今日はお前がコーチ役」と伝えます。教える立場になると、驚くほど手加減が上手になります。きょうだいでサッカーをするときの声かけはきょうだいでサッカーも参考になります。
4人練習でやりがちなNG
ひとつめは「2対2だけを延々とやる」。同数のゲームは楽しいのでつい続けてしまいますが、体力が切れると判断がなくなり、蹴り合いになります。鳥かご・パス&ゴーを間に挟んでください。
ふたつめは「コートが広すぎる」。4人いると、つい広く取ります。でも試合で必要なのは、狭い場所で、相手と味方を同時に見る力。2対2は12m×10m、鳥かごは7〜8m四方で十分です。
みっつめは「勝ったペアだけをほめる」。2対2は勝ち負けがはっきり出ます。得点より「味方が動いて相手を連れていった」「取られた後にすぐ戻った」をほめると、負けたペアも次の1本に向かえます。
よくある質問
4人でできるサッカー練習は、まず何をやればいいですか?
3対1の鳥かごから始めて、体が温まったら2対2に進んでください。鳥かごは外が3人なのでパスの選択肢が2つあり、低学年でも成功しやすいメニューです。2対2では味方を使うか自分で行くかの判断が入り、試合でいちばん多く出てくる場面をそのまま練習できます。
2対2のペアはどう決めればいいですか?
4人なら組み合わせはAB対CD・AC対BD・AD対BCの3通りだけです。2本ごとにこの順で組み替えると、全員がほかの3人それぞれと1回ずつ味方になり、2回ずつ相手になります。強い2人を固定すると負けが続くペアが出て、やる気をなくす子もいるので、固定はしないでください。
3人の練習と4人の練習は何が違いますか?
3人は2対1が主役で、人数が多いほうがどう攻めるかを学びます。4人になると初めて同数の2対2が作れ、味方を動かして相手を引き離すか、自分で仕掛けるかの判断が入ります。3対1の鳥かごも4人ならできるので、ウォームアップが成功しやすくなります。
4人練習はどのくらいの時間がちょうどいいですか?
休憩を含めて60分くらいを一つの例にしてください。年齢や気温によっては、もっと短くて構いません。同数のゲームは体力を使うので、2対2は1本1分で区切り、間に鳥かごやパス&ゴーを挟みます。前半に判断の練習、後半にゴールのある形を置き、最後は全員が同じ回数シュートを打てるメニューで終わると、次も来たくなります。
家族4人(親2人+子2人)でもできますか?
できます。2対2のペアは親+子対親+子にしてください。子ども2人対大人2人では抜けないか手加減かのどちらかになり、練習になりません。親は歩いて守る・手を後ろに組むなどの制限を最初に宣言し、きょうだいなら上の子にコーチ役を頼むとトラブルが減ります。
2対2は急停止と方向転換の連続で、足元がすべると練習が転倒で終わります。公園の土や人工芝で使う一足は、学年・足型から → 比較ランキングで学年・足型からピッタリのシューズを選ぶ 3人の日は3人でできるサッカー練習6選、人数がさらに多い日はマーカーコーンの家練習メニューの宝あつめがそのまま使えます。
「サッカーが上手い選手より、サッカーを通じて“かっこいい大人”を育てる」
育成年代の指導3年目、延べ50名ほどの子どもたちと向き合ってきた現役コーチ。判断・認知・立ち位置を軸に「個の前進力」と「戦術理解」の両立を追求しています。
用品・ルール・練習の記事は、公開前に監修コーチが内容を確認し、事実に関わる記述は一次情報にあたって整理しています。監修者について →

